|
- 科名・属名 :
ウマノスズクサ科 カンアオイ属 注.APG分類では、属名(Asarum)
- 特徴 :
草丈5〜8cmの多年草。
葉は卵円形〜卵状長楕円形、長さ5〜8cm、幅3〜6cm。先はやや尖るか円頭、基部は心形、縁には繊毛がある。表面は緑色、光沢はなく、普通無地が多いが、雲紋や亀甲紋もある。表面主脈の窪みは弱い。
花は暗茶色が多いが、淡赤紫色〜緑色まで変化が多く、紫色の細点がある。萼筒は筒形、長さ5〜8mm、幅6〜8mm。萼筒内部は暗紫色、格子状の隆起があり、縦襞は15〜16。萼裂片は三角形で水平に開くか斜開する。
雄しべは12本、花柱は6個。
なお、特徴の解説は「日本細辛・寒葵保存愛好会」のHP(https://kanaoiasarum.jomdo.com)の記述を参考にした。
- 分布・生育地 :
本州(静岡県) (国外:日本固有) 山地の林下
- 花期 : 10〜1月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年12月23日 静岡県伊豆半島 中1・全体2、以下全て 同 上 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
静岡県伊豆半島にこの名前のカンアオイがあると聞いていたが、学名もつけられておらず、愛好家の通称ぐらいに考えていた。
カンアオイに詳しい花仲間から、ヒメカンアオイ系の花で「静岡県植物誌」にキソジノカンアオイと記載されている種がこれに当たるのではないかと聞き、花仲間と自生地を訪れた。
冬の1日だったが、風もない暖かな晴天、尾根を走る道路からは駿河湾越しに雪を被った富士山が綺麗に見え、遠くに南アルプスも望まれた。
この花を最初に見た感想は、「葉が小さい」と言うことだった。チゴ(稚児)とは花が小さいことから付けられたと思っていたが、どうやら花ではなく葉の小ささを表しているようだ。
2ヶ所の自生地を訪れたが、1ヶ所は暗褐色の花で無地の葉の典型的な株ばかり、ところがもう1ヶ所は花色が株毎に違うなど変化が大きく、また葉も雲紋入りや亀甲紋など色々見られ面白かった。
学名も無い紀伊半島や伊豆半島にはまだ学名の付けられていないカンアオイ類が多数知られているが、早く専門的に整理して欲しい。
同じ科の仲間の花
|