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- 科名・属名 : ウマノスズクサ科 カンアオイ属
注. APG分類ではカンアオイ属の学名はAsarum
- 特徴 :
葉は卵状三角形〜二等辺三角形、長さ4〜8cm、幅3〜6cmの多年草。
先はやや尖り、基部は心形で縁には毛を散生する。表面は無地で濃緑色、光沢はないものが多いが、雲紋の入るものや光沢あるものもある。葉柄は長さ5〜7cm、緑白色〜濃紫色、疎らに毛がある。
花は黄緑色、緑紫色、乳白色、径約15mm、萼筒は壷形、長さ約10mm、幅約8mm、口環の隆起はない。萼裂片は卵状長楕円形、水平か斜開し反転せず、両面や萼筒に軟毛がある。
萼筒内壁の襞は網目状で下部はやや粗く、縦襞のみの個体もある。
花柱は3個、雄しべは6個。
- 分布・生育地 :
九州(鹿児島県奄美大島) (国外:日本固有) 山地の常緑広葉樹林下
- 花期 : 12〜2月
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2016年12月23日 鹿児島県奄美大島 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
沢沿いの荒れた道、春〜秋ならハブの心配でとても入れそうもない。
藪を掻き分け、倒木を潜り、乗り越えて進むが、この時期でもハブの咬傷事件はあるようなので、慎重にと言い聞かせ周囲に気を配る。
カンアオイの葉1つないこんな場所、果たして見つかるだろうかと思いつつ道を外れ林下を探す。
やっと1枚葉を見つける。花はないがこれなら花をつけた株もあるだろう元気百倍、辺りを探す。
すると、黄緑色の小さな花が見つかった。萼裂片の両側(特に内側)に白い毛が密生したあまり見かけない姿のカンアオイだった。
長い間この花に憧れていただけに、実際にこの花に対面すると、大喜びというより何だか力が抜けた感じだった。
中には緑色の抜けた乳白色の花(左下から2枚目)や萼裂片が3裂せず2裂の花もあった。
葉は3種類ほどあったが、光沢も白班も入らないタイプ(右の一番上)がほとんどだった。
似たような別の場所も探したが、葉一枚見つからず、自生株はごく少ないものと思われる。
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