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- 科名・属名 : ウルシ科 ウルシ属
注.APG分類ではヌルデ属、学名(R. javanica var. chinensis)
- 特徴 :
高さ4〜10(〜13)mの落葉小高木。
幹は太さ径10cmになり、樹皮は褐灰色で、若枝には黄褐色の毛が密生する。
葉は互生、奇数羽状複葉で9〜13個の小葉からなり、長さ20〜40cm、葉軸には翼がある。小葉は楕円形〜卵状長楕円形、長さ5〜12cm、幅2〜8cm。先は鋭く尖り、基部は鋭形〜くさび形、縁にはややとがる多数の鋸歯がある。表面は主脈以外は無毛、裏面あ軟毛が密生して黄褐色。
雌雄異株で、花は枝先に長さ20〜30cmの円錐花序となり、多数の小さな花をつける。花序軸には淡褐色の毛が密生する。花弁は5個、黄白色、楕円形で長さ約2mm。雄花の花弁は反り返り、雌花の花弁は反り返らない。萼片は5個、三角状卵形で先は鈍く、長さ約1mm、毛が密生する。。雄花の雄しべは5個、花冠から突き出る。雌花は5個の退化雄しべと1個の雌しべがあり。花柱の先は3裂する。
果実(核果)は偏球形、径3〜4mm、秋に黄赤色に熟し、熟すと白い物質を分泌する。果皮には茶褐色の軟毛が密生する。
- 分布・生育地 :
日本全土 (国外:朝鮮、中国(中・西部)、台湾、ヒマラヤ) 平地〜低地の2次林
- 花期 : 8〜9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2014年8月29日 石川県羽咋市 中上・全体2 2006年9月5日 鹿児島県屋久島 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・雌花序 2014年8月29日 石川県羽咋市 左下・果実(核果) 2016年9月30日 神奈川県川崎市 右上・葉 2017年8月3日 同 上 右下・ヌルデシロアブラムシの虫えい 2018年9月16日 同 上
- 撮影記 :
日本全土の低地の2次林に生育し、ウルシ科の仲間でもかぶれることはなく、葉軸に翼があるのがわかりやすい特徴である。
幹を傷つけると白色の乳液が出て、これをものに塗るので和名がつけられている。
ごく普通に見られる木であるが、この木の葉にヌルデシロアブラムシが寄生し虫えい・虫こぶ(左下の写真)を作っているのをよく見かける。
これを五倍子(腑子)と言い、タンニンの含有量が高いことから、医薬用や染料に利用されている。
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