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- 科名・属名 : ヤマモモ科 ヤチヤナギ属
注.APG分類ではヤチヤナギ属は(Myrica)、学名(M. gale var. tomentosa
- 特徴 :
高さ20〜80cmの落葉低木。
枝はよく分枝し、樹皮は暗赤色、若枝では白い軟毛がやや密に生え、淡黄色の油点がある。
葉は互生、葉身は倒披針形〜倒卵状長楕円形、長さ2〜5cm、幅0.8〜2cm。先はやや円く、基部はくさび形で葉柄に流れ、上部に少数の鋸歯がある。質はやや厚く、両面に軟毛があり、淡黄色の油点が散在する。葉柄は短く長さ約1mm。
花は雌雄異株、花は葉の展開前に前年枝に直立する穂状花序をつける。雄花序は長球形、長さ7〜15mm、広楕円形の苞が密に重なり、それぞれの内側に6個の雄しべからなる雄花がある。雌花序は広球卵形で小さく、花柱を除き長さ2.5〜3mm(果時には長さ5〜10mm)、多数の雌花からなる。雌花は1個の苞、2個の小苞と1個の暗赤色の花柱からなり、柱頭の先は2裂する。
果実(堅果)はやや扁平な広卵形、2個の翼状に肥大した小苞に包まれ、長さ約2mm。
- 分布・生育地 :
北海道〜本州(三重県以北) (国外:朝鮮(北部)、ロシア(千島、サハリン、シベリア(東部) 寒地の湿原
- 花期 : 低地では4月、高地では5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2024年6月20日 群馬県尾瀬ヶ原 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
和名はヤチ(谷地)に生えるヤナギ(柳)で、どんな種類の柳かと思うがヤナギ科の植物ではなく、ヤナギに似ているとして名付けられたヤマモモ科の低木である。
主に寒地の湿原に生え(三重・愛知県といった低地の湿原にあるのは驚きだが)尾瀬ヶ原には多くの群落が見られるのだが、花期が早いことと目立たない花のため未撮影だった。
この花を主目的に訪れたのは6月の半ば過ぎ、この花にはやや遅い時期でほとんど終わっていたが、わずかに雄花が咲き残っていた。
これまではあまり気にしていなかったが、そのつもりで見ると湿原にも池塘にも多くの株が生えていた。



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