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- 科名・属名 : ヤナギ科 ヤナギ属
- 特徴 :
高さ5〜10mの落葉高木。
幹は径25〜30cmになり、樹皮は灰褐色で深い割れ目がある。新枝は緑色〜灰緑色で、初め上部に短毛があるが、後無毛。枝は分岐点で極めて折れやすい。
葉は互生、葉身は成葉では線状狭卵形〜狭楕円形、長さ10〜15cm、幅1〜2.5cm。先は長鋭尖頭、基部は鋭形、縁には鋭い細鋸歯がある。表面は濃緑色、裏面は粉白色、両面無毛。葉柄は長さ5〜10mm。托葉は稀に宿存し、斜広卵形で、長さ4〜5mm、縁に鋸歯がある。
雌雄異株で葉の展開と同時に花をつけるが、日本では雌株しか知られいない。雌花穂は楕円形、長さ約1.5cm。柄は短く、1〜5個の小さな葉がつく。苞は楕円状卵形、淡黄緑色で両面に長軟毛がある。雌花は長さ約2mm、腺体は2個で淡黄色、しばしば互いに側方で合着する。子房は長さ約2mm、密に白毛があり、無柄。花柱はやや長く子房の半長。柱頭は線形で淡緑色、左右に開き外に曲がる。
別名 オオシロヤナギ
- 分布・生育地 :
本州(東北地方南部以西)〜九州 (国外:朝鮮、中国(黒竜江省、吉林省、遼寧省) 低地の湿地
- 花期 : 3〜4月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2023年3月30日 東京都八王子市 中上・全体2 2024年3月31日 大分県杵築市 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・雌花序 2023年3月30日 東京都八王子市 中下・雌花、左下・雌花断面 同 上 右上・葉(表) 2022年8月21日 同 上 右下・葉(裏) 2024年3月31日 大分県杵築市
- 撮影記 :
低湿地で見られるが、日本では雌株しか見つかっていないこと、比較的人里近くに生えていることから、古い時代に大陸から渡来したとの疑いもあるようだ。
東京の多摩丘陵の谷地でも見られ、写真の多くはそこで撮影したが、高木になることから花の撮影は大変だった。
和名の由来は、高野山で「蛇柳」と呼んでいたものを、この花につけたものとされている(久内清隆「植物研究雑誌」)。
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