ミヤマヤナギ(深山柳)

Salix reinii


ミヤマヤナギ(果時)


  • 科名・属名 : ヤナギ科 ヤナギ属

  • 特徴 :
     高さ30〜200cm(〜7m)の落葉小低木〜小高木。
     樹形や樹高は変化が多く、枝は地を這うように広がる匍匐性のものや立ち性のものがあり、1本立ちし3〜7mくらいになるものもある。
     枝は黄褐色〜暗褐色で無毛。表面に隆起線がある。
     葉は互生、葉身は変化が多く、楕円形〜倒卵形、長さ3〜9cm、幅1.5〜5cm。先は鋭頭、急鋭頭〜やや円形で凸頭、基部は円形〜鋭形、縁には内曲する波状の鋸歯がある。表面は緑色でやや光沢があり、裏面は粉白色で、両面無毛。葉柄は長さ1.3〜2cm、上面に溝がある。托葉は発達しない。
     花は雌雄異株、葉の展開と同時に開花し、円柱形。柄は短く、縮毛があり、小さな葉を3〜5個つける。雄花序は長さ2.5〜6cm、径1〜1.2cm、雄花は長さ3.5〜7mm、雄しべは2個で時に花糸の基部が合着して1個、花糸は離生し、長さ5〜6mm、葯は黄色。花糸の基部に腺体が1個、長さ約1.5mm。苞は楕円形、淡黄緑色で時に上部が褐色、長さ1.5〜2mm。
     雌花序は長さ2.5〜5cm、径5〜7mm。苞は雄花と同様。雌花は長さ4〜5mm、腺体は1個で雄花同様。子房は狭卵形、長さ2〜2.5mm、光沢があり、無毛か基部に少し毛がある。柄は長さ0.5〜1mm。花柱は長さ約1mm、柱頭は凹頭〜2浅裂する。
     果実(刮ハ)は6〜7月に熟し、裂開する。  別名 ミネヤナギ

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方以北) (国外:ロシア(千島列島、サハリン(南部)、沿海州)
     高山〜亜高山帯

  • 花期 : 5〜6(〜7(高地))月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体(果時) 2004年7月4日  青森県岩木山
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・果実1    同  上
     左下・幹 2023年7月26日  静岡県富士山
     右上・葉(表)、右下・葉(裏)    同  上

  • 撮影記 :
     花の咲いている状態の写真をアップしたかったが、この花の花期は5〜6月、花期が遅い富士山5合目(2500m付近)でも7月初めと、まだ他の花が咲き揃わない頃なので、この花の開花時に訪れる機会がなかった。
     樹形や樹高は生えている場所によって様々で、高山帯の岩場に這うように広がる低木状から、左下の幹の写真のように亜高山帯では5m位の小高木になる場合もある、
     写真のように白い綿毛に包まれた状態は、果実(刮ハ)が熟して裂開し綿毛に包まれた種子(柳絮)が出た時期で、夏山シーズンではこのような場面が多くよく目立つ。

  • 葉(表)

    葉(裏)

    同じ科の仲間の花
果実(刮ハ)1

果実2

樹皮