バイカウツギ(梅花空木)

Philadelphus satsumi


バイカウツギ1

  • 科名・属名 : ユキノシタ科 バイカウツギ属
     注.APG分類では、アジサイ科(HYDRANCEACEAE)、属名以下変わらず。

  • 特徴 :
     高さ1〜3mの落葉低木。
     枝は叉状によく分枝し、開出する。若枝は赤褐色で縮れた軟毛があり、古い枝は灰色。
     葉は対生、葉身は卵形〜広卵形で、長さ4〜10cm、幅1.5〜3(−4)cm。先は鋭尖頭で、基部は円形、縁に突起状の低い鋸歯が疎らにある。質は洋紙質、表面に微毛を散生し、裏面は淡緑色で葉脈に沿って短い毛があるか無毛。葉柄は長さ5〜10mm。
     花は枝先に5〜9個が集散花序につき、白色で径2.5〜3cm。花弁は4個、広卵形で先は円形、長さ12〜15mm、幅8〜11mm、花時には開出する。萼は4個、卵形で長さ約4.5mm、縁には短い毛が密生する。雄しべは約20個、花糸は長さは不揃い。葯は淡黄色、長さ約1mm。花柱は長さ約8mm、先は4裂し、長さ約2mmの枝がある。子房の先端部はわずかに花筒から突出する。
     果実(刮ハ)は倒卵状円錐形、長さ7〜8mm、9〜10月に熟す。種子は褐色、狭楕円形、長さ1.5〜2mm、一端は尖り、もう一端には膜質の翼がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(岩手県以南)〜九州(除く鹿児島県) (国外:日本固有)
     山野の林内、林縁

  • 花期 :   6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2003年6月22日  長野県上伊那郡
     中上・全体2 2014年5月19日  愛知県豊橋市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2003年6月22日  長野県上伊那郡
     左下・花 2014年5月19日  愛知県豊橋市
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     タクシーにどこかで出会えるだろうと、林道際の植物を観察しながら下り始めた。
     未舗装で通る車もほとんどない山道であるが、法面工事のカバープラントとしてイタチハギのような帰化植物も見られた。
     花の咲く感じが梅の花に似ていることからバイカ(梅花)と名付けられている白いこの花も咲いていた。
     花弁が全開しない含み咲き気味の花は梅の花の物静かさと共通し、感じのいい花である。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
バイカウツギ2

花1

花2