ヒイラギズイナ(柊随菜)

Itea oldhamii


ヒイラギズイナ1

  • 科名・属名 : ユキノシタ科 ズイナ属
     注.APG分類では、ズイナ科(ITEACEAE)、属名以下変わらず。

  • 特徴 :
     高さ6〜10mの常緑小高木。
     若枝は淡緑色で初め微毛が散生する。
     葉は互生、葉身は倒卵状長楕円形〜長楕円形、長さ6〜10cm、幅3〜5cm。先は鈍形〜短い微突形、基部はくさび形、縁は全縁だが、若い葉には4〜6(−10)個の鋸歯がある(これがヒイラギの名の由来)。革質で中脈は表面ではわずかに窪み、側脈とともに著しく裏面に突出する。
     花は葉腋または枝先に3〜5cmの総状花序となって多数つく。花序軸には褐色の微毛が密生する。花柄は長さ3〜5mm。花弁は5個、白色、線状披針形〜広披針形で、花時には直立し、長さ2.5〜3mm、幅1〜1.5mm。萼は花筒と5個の萼片に分れ、花筒は椀状、径約2mm。萼片は三角形で、長さ約1.5mm、外面に微毛がある。雄しべは5個、花弁よりやや長く、長さ約3mm、下部に毛がある。子房は半下位、狭卵形で先は次第に細まり、花柱となる。花柱の柱頭は頭状。
     果実(刮ハ)は壷形、長さ6〜10mm、緑色〜褐色、縫合線に沿って裂開する。種子は微小で、紡錘形

  • 分布・生育地 :
     九州(奄美諸島)〜沖縄 (国外:台湾)
     林内

  • 花期 :   3〜5および9〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2010年10月17日  沖縄県西表島
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     花は秋によく見るが、平凡社の「日本の野生植物(木本編)」では3〜5月とされている。一方、「琉球植物誌」は南西諸島の植物を調べる際の数少ない文献であるが、花期については全く書かれていない。
     さらに調べると、「琉球の樹木」(大川智史、林 将之著)(文一総合出版)によると、春〜初夏と秋の2度咲くと記されていて、これが最も納得できる。
     ただ、南西諸島に季節を変えて訪れると、気温や降水量などによって花期が半年以上も異なる場合や、台風などで葉が飛ばされたりすると、季節外れの時期に満開になっていることもあるので、花期を特定するのは難しいことであるのかもしれない。

  • 葉

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ヒイラギズイナ2

花序

花