キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)


キレンゲショウマ1

  • 科名・属名 : ユキノシタ科 キレンゲショウマ属
     注.APG分類では、アジサイ科(HYDRANGEACEAE)、以下学名変わらず)

  • 特徴 :
     草丈80〜120cmの多年草。
     葉は対生、葉身は円心形、長さ幅とも10〜20cm。掌状に浅く裂け、基部は心形。裂片は三角形で、先は鋭尖形、鋸歯がある。表面は緑色、裏面は多少淡色、圧毛がある。下部の葉には長い柄があるが、上部のものは無柄。
     花は対生する苞の各腋の間から枝を疎らに出して円錐状の集散花序となり、径7〜13mmの花を3個(稀に1〜2個)つける。花柄は長さ約4cm、果期には下を向く。花冠は鐘状、花弁は5個、黄色で片巻きにつき、狭倒卵状長楕円形で先端はやや鋭形、長さ3〜4.2cm。萼片は5個、三角形、長さ約2mm。雄しべは15個、長さ3〜4cm、外側の輪の5個が長くなる。花柱は長さ約3cm、果時にも残る。
     果実(刮ハ)は長円形で長さ1.5〜2cm、下半分は宿存する萼に被われる。種子は翼があり、扁平だが形は不定、長さ約9mm、幅約3mm、種皮は黄色。

  • 分布・生育地 :
     本州(紀伊半島、広島県)、四国、九州 (国外:朝鮮、中国(東部)
     深山の湿った林内、岩上

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1998年7月27日  高知県天狗高原
     中上・全体2 1987年8月21日  徳島県剣山
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花    同  上
     左下・果実 2013年10月12日  宮崎県西臼杵郡
     右下・葉 1998年7月27日  高知県天狗高原

  • 撮影記 :
     1属1種の植物で、矢田部良吉氏が1890年(明治22年)、日本人が初めて発表した属として知られている。
     宮尾登美子氏の「天蓋の花」では剣山のこの花が主題となっていて、NHKドラマで放送されてから生育地の混雑振りはひどいらしい。
     中の花の写真はその剣山のもので、テレビドラマの放送の遥か前とあって、撮影している間誰も訪れては来なかった。
    最近花のない時期に訪れたら、混雑緩和のため行きと帰りが別ルートになっているうえ、そこに至る登山道の両側に鹿の食害防止のためのネットが張られていて興醒めだった。
     以前の図鑑では中国地方には分布していないとされているが、最近中国山地の奥深い山でも発見されている。

  • 葉

    同じ科の仲間の花
キレンゲショウマ2

花

果実