マルバウツギ(丸葉空木)

Deutzia scabra


マルバウツギ1


  • 科名・属名 : ユキノシタ科 ウツギ属
     注.APG分類ではアジサイ科(HYDRANGEACEAE)、学名(D. scabra var. scabra)

  • 特徴 :
     高さ約1.5mになる落葉低木。
     枝はよく分枝し、樹皮は灰色から灰褐色で、古くなると縦に剥がれる。
     葉は対生し、卵形〜卵状長楕円形で、長さ3.5〜6cm、幅2〜3cm。先は鈍頭に終わる鋭尖形で、基部は円形かわずかに心形、縁には不揃いな浅い鋸歯があり、両面に星状毛が散生する。葉柄は長さ3〜6mmで、星状毛を密生するが、花序の杉下葉は無柄で、多少とも茎を抱く。
     花は今年枝の枝先に円錐花序となって上向きに咲き、白色で径0.9〜1.1cm。花弁は5個、長楕円形〜広線形で、長さ0.7〜1.1cm、平開する。花序全体に星状毛が密生する。
     果実(刮ハ)は椀形、径約3mm、星状毛が密生する。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方以西の太平洋側)〜九州 (国外:日本固有)
     山野の日当りのいい斜面、川岸

  • 花期 :   4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2013年5月10日  東京都あきる野市
     中上・全体2 2015年4月9日  鹿児島県黒島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花序    同  上
     中下・花 2013年5月10日  東京都あきる野市
     左下・果実 2013年8月29日    同  上
     右上・花序直下の葉 2013年5月10日    同  上
     右中・葉(表)、右下・葉(裏)    同  上

  • 撮影記 :
     ウツギ類は下を向いて咲き花弁は平開しないものが多いが、この花は上向きに咲くうえ、花弁が平開するので、豪華で見栄えがする。
     関東地方から西の太平洋側では、山野で普通に見かける花で、4〜5月の比較的早い時期に咲く。
     東京多摩地域の里山の林縁で撮影したが、新緑の黄緑色の中で輝いていた。

  • 花序直下の葉

    葉(表)

    葉(裏)

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マルバウツギ2

花序

花

果実