ムカゴネコノメ(零余子猫の目)

Chrysosplenium maxmowiczii


ムカゴネコノメ1

  • 科名・属名 : ユキノシタ科 ネコノメソウ属

  • 特徴 :
     草丈3〜15cmの多年草。
     走出枝は地中または一部地上にもあり、その先に珠芽(ムカゴ)を1個つけ、そこから花茎を伸ばす。
     珠芽(ムカゴ)は紡錘形、赤色を帯びて暗紫褐色の斑点があり、長さ約1cm、毛を密生する。
     地中の走出枝には鱗片葉があり、地上のものには普通葉がつく。
     茎葉は2〜3対が対生または一部互生し、葉身は楕円形〜広倒卵形、長さ幅とも4〜18mm。先には1〜3対の丸い鋸歯があり、基部はくさび形。葉柄は長さ3〜15mm。
     花は集散花序となり、疎らに少数の花をつけ、葉と同形の苞がある。花は花弁がなく、苞の上に4個の萼があり、裂片は広卵形〜卵円形、長さ約1.5mm、緑色か淡緑色で直立する。雄蕊は(4-)8個、長さ0.8〜1mm、花時には内向する。葯は緑白色または黄白色。
     果実(刮ハ)は大きさの異なる2個の心皮が直立し、上部は萼の外に突き出す。種子は卵円形、長さ約0.6mm、十数個の縦条の上に硬い短乳頭状が並ぶ。

  • 分布・生育地 :
     本州(宮城県南部〜東海地方) (国外:日本固有)
     沢沿いの樹林下

  • 花期 :   3〜4月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1993年3月5日  神奈川県大山
     中上・全体2 2010年3月14日  静岡県伊豆半島
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中中・花1 2020年3月11日  神奈川県大山
     中下・花2、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     ネコノメソウ属の中で唯一走出枝を地下にも出し、その先に珠芽(むかご)をつける(左下の写真)のでこの名がつけられている。
     3月初め早春に咲く別の花を探して大山に登ったところこの花が咲いていた。
     この時期の山は寒い。神奈川県は滅多に雪は降らないものの、この時は降り出した雨がいつの間にか雪になり、あっという間に雪化粧となった。

  • 茎葉

    地上の走出枝

    同じ科の仲間の花
ムカゴネコノメ2

花1

花2

珠芽(ムカゴ)