ムカゴユキノシタ(零余子雪の下)

Saxifraga ceruna


ムカゴユキノシタ1

  • 科名・属名 : ユキノシタ科 ユキノシタ属

  • 特徴 :
     草丈4〜25cmの多年草。
     根元葉は円形、径5〜15mm、掌状に5〜7に中裂し、裂片は広卵形で微鋭頭、基部は円形。葉柄は長さ1〜5cm。茎葉は数個つき、
     花茎の下部の葉は根出葉と同形で葉柄があるが、上部の葉は柄もなく苞に移行する。苞は長卵形〜披針形、葉腋に長卵形で長さ約1.5mmの、赤色の(むかご)がつく。  花は総状花序につくが、正常花は茎頂に1〜2個くだけで、ほかは珠芽(むかご)になり、中には正常花のつかない個体もある。花弁は倒披針形、白色で、斜上して上部で開出し、長さ6〜8mm、爪はない。雄しべは10個。萼裂片は卵形、長さ約2.5mm。あるが、正常花のつかない株もある。
     果実(刮ハ)は腹側の花柱間で縫合線に沿って裂開する。

  • 分布・生育地 :
     本州(白馬岳、八ヶ岳、南アルプス) (国外:北半球の寒帯、高山に広く分布)
     高山のやや湿った岩場

  • 花期 :   7〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1979年8月16日  山梨県北岳
     中上・全体2 2004年7月19日  長野県八ヶ岳
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 1979年8月16日  山梨県北岳
     左下・珠芽(むかご) 2004年7月19日  長野県八ヶ岳
     右下・葉 1979年8月16日  山梨県北岳

  • 撮影記 :
     葉の腋に赤い珠芽(むかご)がつき、これが和名の由来である。
     白い花弁のある正常花は結実しないで、むかごで増えるとのことである。
     北岳や八ヶ岳で見た株はいずれも高山帯の岩間で、やや湿り気のあるような場所に咲いていた。



  • 同じ科の仲間の花
ムカゴユキノシタ2

花

珠芽(むかご)