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- 科名・属名 : ユキノシタ科 クサアジサイ属
注.APG分類では、アジサイ科(HYDRANGEACEAE)、学名(C. mollendorffii)
- 特徴 :
草丈30〜60cmの多年草。
茎はやや斜上し、多少溝があり、上部に微毛を散生する。
葉は互生し、長楕円状披針形〜長卵状楕円形で、長さ10〜18cm、幅3〜8cm。先は尖り、鋸歯縁で、毛がないか粗毛を散生する。
花は茎頂に円錐花序に多数つき、淡紫色〜紅紫色で、花弁状の装飾花は2個の萼片からなる。
- 分布・生育地 :
沖縄(西表島) (国外:中国(南東部)、台湾) 湿った岩壁
- 花期 : 9〜10月?
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2010年9月11日 沖縄県西表島 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
前年、日本では西表島にしかないというこの花を探して島の源流部の沢筋を彷徨ったが、目的地に行きつけなかった。再チャレンジを促され、今年は現地に詳しい方に同行を依頼するなど、準備万端整えてジャングルに分け入った。
覆いかぶさるシダを切払い、岩を高巻きして沢筋を詰める。滑る急斜面、ハブや毒虫に気をつけながら木の根や枝を掴んで登る。
やっとのことでたどりついた岩壁、アジサイのような葉が下から上まで岩肌を覆っている。花はと探すと点々と紫色が見える。ホッと大きく息をつき荷物を下ろした。
岩壁から滴り落ちる水滴に悩まされながら観察する。
本州から九州に分布するクサアジサイに似ているものの、装飾花が2個しかないとの違いと「日本の野生植物」に記載されているが3個の花も多い。自生を見ることの大切さを実感する。
この仲間には、他に奄美大島に装飾花のないアマミクサアジサイが知られている。
暑さと湿気で止まることがない汗で「暑い暑い」を連発し、同行者の顰蹙を買ったが、お互いに苦労してやっと出会えた花に免じて許してもらいたい。
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