ツルネコノメソウ(蔓猫の目草)

Chrysosplenium flagelliferum


ツルネコノメソウ1

  • 科名・属名 : ユキノシタ科 ネコノメソウ属

  • 特徴 :
     草丈(花茎)5〜15cmの多年草。
     花後、地上性の走出枝は急速に四方に伸び、先端は根を出し新しい個体となり、根出葉をつける。
     根出葉は花時は枯れるが、葉身は円形、長さ2〜3.5cm、幅3〜5cm。基部は円形で、縁に7〜17個の切形〜円頭になる鋸歯がある。表面は緑色で裏面は淡緑色、表面に粗い毛を散生する。葉柄は長さ5〜8cm。花茎の茎葉は2〜3個互生し、葉身は普通扇形、長さ2〜8mm、幅3〜9mm、基部は鈍形〜切形、上縁に円形の鋸歯が5〜7個あり、有柄で無毛。
     花は花茎の先に集散花序となり、花茎には2〜3個の茎葉がある。苞は下部のものは茎葉に同じで、上部のものは卵形。花弁はなく、萼裂片は広卵形、花時に平開し、緑色または黄緑色、長さ1〜2mm、幅1.5〜2.5mm。花盤は黄色。雄蕊は8個、花盤から出て花時には直立し、長さ0.7〜1mm、裂開前の葯は黄色。花柱は長さ約1mm、果時には広く開出する。
     果実(刮ハ)は刺股状、やや扁平で花柱間で裂開する。種子は卵形〜長卵形、長さ約0.6mm、1稜があり、平滑だが長さ0.5mm程度の微細な乳頭状突起がある。

  • 分布・生育地 :
     北海道、本州(近畿以北)、四国(剣山) (国外:朝鮮,中国(東北部)、アムール、ウスリー、サハリン、千島列島)
     山地の沢沿いの湿地

  • 花期 :   4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1995年5月4日  長野県釜無山
     中上・全体2 2006年5月21日  北海道白老郡
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2021年4月28日  東京都御岳山
     左下・花と果実、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     花後に著しく走出枝を伸ばし、その先端に葉をつけることから和名が付けられている。
     ネコノメソウの仲間では葉や花が小さく、密生して生えていることが多い。
     関東以北でこのような感じのネコノメソウを見たら、まず本種と思っていいだろう。

  • 根出葉

    茎葉

    同じ科の仲間の花
ツルネコノメソウ2

花序

花・果実