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- 科名・属名 : ユキノシタ科 ユキノシタ属
- 特徴 :
草丈20〜50cmの多年草。
根茎は短く葉を束生し、茎や葉には赤褐色の毛が多い。紫色の走出枝を多数出し、先端に新苗をつくり増える。
根出葉の葉身は腎円形、長さ3〜6cm、幅3〜9cm。基部は心形、表面は暗緑色、脈に沿って白斑があり、裏は暗紫色を帯びることが多い。葉柄は3〜10cmと長い。
花は円錐状の集散花序で、やや疎らに多数つく。花序の枝には紅紫色の腺毛がある。花弁は5個で開出し、白色、上の3個は卵形で淡紅色を帯び、長さ約3mm、鋭頭、基部は浅心形で短い爪があり、上半分は淡紅色を帯び、2対の濃紅色と1対の濃黄色の斑紋がある。下の2個は披針形で大きさはやや不同、長さ1〜2cm。萼裂片は卵状長楕円形、長さ3〜4mm、花時に反曲する。雄しべは10個、長さ約5mm、花糸は先端部がやや広がる。裂開前の葯は紅色。
果実(刮ハ)は卵円形、長さ約4mm、上部は2浅裂する。種子は長円状、長さ約0.5mm、微細なこぶ状突起がある。
- 分布・生育地 :
本州〜九州 (国外:中国) 陰湿な岩上
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1981年6月21日 栃木県下都賀郡 中上・全体2 2009年6月日 埼玉県飯能市 中下・全体3(群生) 2021年5月25日 大分県佐伯市 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花序 2009年6月6日 埼玉県飯能市 左下・花 1981年6月21日 栃木県下都賀郡 右上・葉(表) 2022年11月12日 神奈川県横須賀市 右下・葉(裏) 同 上
- 撮影記 :
ちょっと湿った日陰でよく見かけるが、栽培されていることが多いため、栽培種が逸出したとばかり考えていた。
本州〜九州まで自生しているが、よほどの山中ならともかく、栽培と自生の区別がつきにくい。
葉の白斑も観賞価値があるが、小さな花も白い花弁に紅が差し、左右対称の端正な形と相まってアップに耐える花である。
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