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- 科名・属名 : ユズリハ科 ユズリハ属
- 特徴 :
高さ10m程度の常緑高木。
樹皮は灰褐色で皮目が散生し、若枝は緑色。
葉は互生、今年枝に多く、枝先に集まってつき、葉身は倒披針形〜狭楕円形、長さ6〜12cm、幅2〜6cm。先は鋭形〜鋭尖形、基部は狭いくさび形、側脈は8〜10対あり、縁は全縁でやや内側に巻く。質は革質、表面は深緑色で光沢があり、裏面は緑白色、両面無毛。葉柄は長さ(2〜)4〜5cm、普通緑色で時に紅色を帯びる。
雌雄異株、花は前年枝の葉腋から長さ3〜4(〜6)cmの総状花序となり、花序枝の上部にまとまってつく傾向があり、先端部分は4〜6個の花が輪状に配列することが多い。雄花は長さ1.5〜3mmの柄があり、花弁は無く、萼片が3〜6(普通4個)あり、広卵形で小さく鱗片状で斜開し、長さ0.5mm以下。雄しべは4〜10個、花糸は離生し、長さ0.5〜1mm、花時にはほぼ直立する。葯は広楕円形、長さ約1.5mm、裂開前は紅色を帯びる。雄花の中央には普通退化子房がある。雌花は長さ約1mmの柄があり、萼片は3〜5個、狭卵形で小さく、長さ約0.5mm、鱗片状で果期まで残る。子房は円筒状に近い狭卵形、長さ約1mm、先端の花柱は3〜4個あり、淡黄色で外側に反り返る。
果実(核果)は歪んだ楕円形、長さ4〜14mm、花柱が宿存し、長さ4〜14mm、12月〜1月頃、紅色から藍黒色に熟し、表面は粉をふく。果序は垂れ下がらない。核は径6〜7mm。
- 分布・生育地 :
本州(福島県以西)〜沖縄 (国外:台湾) 照葉樹林内
- 花期 : 5〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年4月11日 沖縄県国頭郡 中上・全体2 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・雄花序 2017年5月18日 鹿児島県屋久島 中下・雄花 2017年4月11日 沖縄県国頭郡 左下・果実(核果) 2015年11月29日 同 上 右上・葉 2017年4月11日 同 上
- 撮影記 :
ヒメ(姫)はよく似ているが少し小さい植物につけられることが多いが、この樹は決して小さいことはなく高さ10m程度の高木になるが、葉がやや小さいことが和名の由来となっている。
ユズリハと分布域も重なっていて見分けは大変で、葉がやや小さいといっても並べて比較したり、物差しで計測するのも大変だ。見分けは本種の葉の側脈が8〜10対と少ないこと、花の時期であれば本種には小さいものの萼片が4〜6個あることなどで判断する。
写真は南西諸島で撮影したものであるが、分布域の南の方では本種の方をよく見ることがが多い。

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