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- 科名・属名 : ヒガンバナ科 ヒガンバナ属
- 特徴 :
草丈30〜60cmの多年草。古い時代に帰化。
鱗茎は広卵形、外皮は黒い。
葉は花後、晩秋の頃から現われて束生し、線形で長さ30〜50cm、幅6〜8mm。深緑色で翌年春枯れる。
花は鱗茎から伸びた花茎の先に散形状に5〜7個つき、朱赤色。花柄は長さ6〜15mm。花被片は狭倒披針形で6個、長さ約4cm、幅5〜6mm、強く反り返り、筒部は長さ6〜19mm、喉部の副花片裂片はごく小さい。花糸は花冠の外に著しく突出し、細長く、上に曲がり長さ約8cm。葯は長楕円形で暗赤色。花柱は糸状、雄しべより長い。総苞片は披針形で膜質、長さ2〜3cm。
果実は不稔で、種子はできない。
別名 マンジュシャゲ
- 分布・生育地 :
逸出帰化(中国原産、古い時代に帰化)(日本全土に帰化) 田畑の畦や土手、堤防、墓地など
- 花期 : 9月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 1983年9月23日 埼玉県秩父 中上・全体2 2023年9月20日 東京都八王子市 中中・全体3 1992年9月28日 茨城県行方郡 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花1 2007年9月24日 栃木県下都賀郡 左下・花2 1979年9月5日 東京都八王子市 右下・葉 2022年3月15日 神奈川県川崎市
- 撮影記 :
秋の彼岸の頃になると、測ったように真っ赤な花を見せてくれる。年によりいくらか違いはあるものの、時を測る正確さに驚かされる。
花の時期に葉がなく、地面から伸びた花茎の先に咲く大きな赤い花は、群生することが多いのでよけいに目に付く。
小さい頃彼岸に墓参りに行くと、墓地でよくこの花に出会い、なんとなく気味悪い感じがしたことを、今でもこの花を見るたびに思い出す。
日本全土に分布しているが、もともとの自生ではなく、古い時代に中国から渡来したものと言われている。
鱗茎にアルカロイドを含む有毒植物であるが、昔は飢饉の時に鱗茎を擂り潰し、何度も水に晒して澱粉を取り、食用にしたようだ。
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