ヒナノシャクジョウ(雛之錫杖)

Burmannia championii


ヒナノシャクジョウ1


  • 科名・属名 :
     ヒナノシャクジョウ科 ヒナノシャクジョウ属

  • 特徴 :
     草丈3〜15cmの菌従属栄養の多年草。
     根茎は球状に膨れ、多数のひげ根がある。
     茎は単一で白色、鱗片葉は疎らに互生し、狭卵形〜卵形、長さ1.5〜4mm。
     花は花序柄の先に2〜10個がやや頭状に集まってつき、白色。苞は長さ約2mm。花は基部で合着し筒状で翼はなく、無柄、長さ6〜7.5mm。花被片は6個、外花披片3個は大型、三角形で直立し、長さ約1.5mm、内側は黄色。内花被片3個はへら形で小さい。雄しべは3個、外花被片と互生し、内花被片の下部に着き、花糸はほとんどなく、葯は横に裂ける。花柱は花筒と同長、柱頭は3裂する。
     果実(刮ハ)は倒卵円形、長さ約2.5mm。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東以西)〜九州(屋久島まで)、沖縄(沖縄島) (国外:中国(南部)、台湾、東南〜南アジア、インドネシア、ニューギニア)
     暗い常緑樹林下

  • 花期 : 8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2024年7月28日  静岡県熱海市
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     過去何度もこの花には出会っているものの、開花した状態に出会えることがなかった。
     色々な情報を得、訪れた熱海市の常緑林下でやっと開花したこの花を見ることができた。
     暗い林下や斜面に白いこの花が点在し、いくつかの株に開いた花がつき、内側の黄色が見えた。
     多いものは10個近い花をつけるが、開花するのは1個ずつと思っていたが、同時に2個が開花しているものもあった。時に3個開花するものもあると後日聞いた。
     普通、常緑樹林下の暗い場所に生えるが、以前福岡県のカルスト台地で笹の中に生えていた株に出会ったことがある。ここもかっては樹林に覆われていた名残だろうか。

  • 鱗片葉

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ヒナノシャクジョウ2

花序

花1

花2(内部)