ホロムイソウ(幌向草)

Scheuchzeria palustris


ホロムイソウ1


  • 科名・属名 : ホロムイソウ科 ホロムイソウ属

  • 特徴 :
     草丈10〜30cmの多年草。
     根茎は硬く、長く這い、節から根を出すとともに、葉を2列互生に出して束生する。
     葉は直立し、根生葉は線形で、下部の断面は半円形、長さ10〜35cm。先端に穴があり、基部は葉鞘となって葉を包むか茎を抱く。葉鞘の縁は白色、厚い膜質で、上端に長さ3〜5mmの葉舌がある。花茎にも数個の葉を2列互生につけ、長さ3〜13cmで、下部の葉ほど長い。
     花は花茎に先に総状に両性花が数個つく。花柄は花時で約3mm、花後は1〜2cmに伸びる。花被片は6個、披針形で黄緑色、長さ約3mm。雄しべは6個、狭披針形で長さ約2mm、葯は線状楕円形で、長さ約3mm、雌しべより先に熟す。雌しべは先の尖った卵球形で、長さ約3mm、柱頭は無柄。心皮は3個、ほとんど離生し、基部でわずかに合着する。子房は長さ約3mm、中に2〜3個の胚珠がある。
     果実(袋果)は広楕円形、長さ6〜7mm、腹面で裂開する。種子は長楕円形、長さ約3mm、皮は褐色で硬い

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州中部(京都府深泥池が南限) (国外:北半球に広く分布)
     低山〜亜高山帯の湿原、湿地

  • 花期 : 6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2024年6月20日  群馬県尾瀬ヶ原
     中上・全体2、中下・花序    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     左下・果実(袋果) 2019年7月26日    同  上
     右上・根出葉 2024年6月20日    同  上
     右下・茎葉、葉鞘 2019年7月26日    同  上

  • 撮影記 :
     ホロムイソウ科は世界中でも1属1種しかないが、北半球の湿原や湿地に広く分布している。
     尾瀬ヶ原には多く見られるが、写真でもわかるように地味な花で、鮮やかで目を惹く花が多い尾瀬では目立たず、左下の果実の頃にやっと気が付くことが多い。
     私も尾瀬には40年以上前から何十回も訪れていたが果実の写真しか写せておらす、花の撮影だけを目的に訪れてやっと撮影した。

  • 葉

    下部の茎葉・葉鞘

    同じ科の仲間の花
ホロムイソウ2

花序

果実(袋果)