ミヤマホソコウガイゼキショウ(深山細笄石菖)

Juncus kamschatcensis


ミヤマホソコウガイゼキショウ1

  • 科名・属名 : イグサ科 イグサ属

  • 特徴 :
     草丈10〜20cmの多年草。
     上部の茎葉は2〜3個、圧扁された円筒状で針形、単管質、大型の葉耳がある。基部の茎葉は鞘状になる。
     頭花は普通2(稀に3〜5)個つき、3〜6花からなる。花被片は濃褐色、長楕円状披針形で、内外片とも同長で長さ約3mm。内片はやや鈍頭、外片は鋭頭。雄しべは6個、花被片の2/3程度の長さ、葯は卵形で花糸より短い。
     果実(刮ハ)は黒褐色で光沢があり、3稜状長楕円形、先は鈍く、長さは花被片より長く約5mm、3隔室。種子は外種皮がゆるく種子を包み、おがくず状で長さ約2mm。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部地方以北) (国外:千島列島、カムチャツカ)
     高山の湿地

  • 花期 :  7〜9月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2018年8月4日  福島県吾妻山
     中上・全体2 2011年8月21日  山形県月山
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花 2018年8月4日  福島県吾妻山
     下・花(果時) 2011年8月21日  山形県月山

  • 撮影記 :
     月山弥陀ヶ原、夏山のピーク時には登山客や観光客で賑わうのだろうが、8月も末、それに風雨が強いとあっては人っ子一人見えない。
     雨はさほど気にならないが、風が強いのは花の撮影にとっては最悪の条件だ。それでも情報を元にあるキク科の花を撮影に登山道を進んだ。
     やっと、木陰で目的の花を見付け、帰りは湿原に咲く花をのんびりとチェックしながら戻った。
     普段はあまり興味がないイネ科やカヤツリグサ科の植物もいくつか撮影したが、その中に少し遅めだったがこの花があり、帰って調べて本種と判断した。
     数年後、福島県の高山の湿地で久し振りにこの花に出あった。今度は何とか花が咲いていて、雄しべが3個出なく6個ある特徴が確認できた。

  • 同じ科の仲間の花
ミヤマホソコウガイゼキショウ2

花

花(ほぼ果時)