タチコウガイゼキショウ(立笄石菖)

Juncus krameri


タチコウガイゼキショウ

  • 科名・属名 : イグサ科 イグサ属

  • 特徴 :
     草丈30〜60cmの多年草。
     根茎は短く匍匐し、節間は短い。
     茎は直立し、円筒状で径約2mm。
     茎葉は2〜3個、茎より著しく短く、円筒状で単管質、隔壁は著しく明瞭。
     花穂は茎頂に凹集散状に集まって多数の頭花からなる。頭花は3〜10花からなり、花被片は長楕円状披針形で鋭頭、緑赤褐色、長さ3〜4mm、内片は外片よりやや長い。雄しべは6個、花被片より短く、葯は卵形で花糸より著しく短い。最下の苞は花穂より短い。
     果実(刮ハ)は3稜状楕円形で褐色、先は鈍いが急に凸端になり、花被片より少し長い。種子は倒卵状楕円形で鉄錆色、長さ約0.5mm。

  • 分布・生育地 :
     日本全土 (国外:朝鮮、中国(東北部)、千島列島)
     河川敷、池沼の湿地

  • 果(花)期 :  8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体  2015年10月13日  宮崎県児湯郡
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・花序    同  上

  • 撮影記 :
     宮崎県中部の平野部には国指定の天然記念物となっている川南湿原のほか高鍋湿原、上新田湿原などが点在し、今では見ることの少なくなった多くの湿地性の植物が見られる。
     いつ訪れても季節ごとに異なる花が見られ、ここで初めて出会った植物も多い。
     湿原が秋色に覆われた10月訪れると、目を惹くような派手は花は少ないものの、ホシクサやイネ科、夏に見かけた果実などが見られた。
     初めアオコウガイゼキショウと判断していたが、花をよく見ると雄しべが3本より多いことが分かったので本種としたが、断定するには刮ハの状態などまだ調べが必要だ。

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花序