キシュウスズメノヒエ(紀州雀の稗)

Paspalam distichum


キシュウスズメノヒエ1

  • 科名・属名 : イネ科 スズメノヒエ属
     注.APG分類では、学名(P. distichum var. distichum)

  • 特徴 :
     草丈20〜45cmの多年草。帰化。
     茎は基部が長く匍匐してよく分枝し、先は直立する。
     葉は線形、長さ5〜10cm、幅3〜8mm。葉は柔らかく、葉鞘口部にのみまばらに毛がある他は無毛。
     花序は2個の総からなり、総は長さ3〜6cmで、片側にほぼ2列に小穂が並ぶ。小穂は長楕円形で先は尖り、淡緑色で、長さ約3mm。第1包類はないか、極めて小さく鱗片状。第2包類は小穂と同長。3脈があり、背面には微細な毛がある。第1小花の護頴は膜質、第2小花の護頴は革質、ほとんど同形、同大。開花時には紫黒色の柱頭が目立つ。葯は長さ約1.5mm。
     別名 カリマタスズメノヒエ

  • 分布・生育地 :
     帰化(世界の熱帯原産)(本州(関東地方以西〜沖縄に帰化) (国外:アメリカ、アジアの熱帯域)
     湿地や水路

  • 花期 :   7〜12月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2019年8月22日  東京都大田区
     中上・全体2 2014年10月10日  東京都江東区
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2019年8月22日  東京都大田区
     下・小穂    同  上

  • 撮影記 :
     スズメノヒエの仲間は何種か知られているが、水面を覆うように生え、V字形の花序をつけているものは、まず本種と見て間違いない。
     特に2個の総がV字になる花序は特徴的で、別名のカリマタというのは二股に分かれたこの形のことである。
     熱帯域の原産で、日本では和歌山県で初めて見つかり和名の由来となっているが、関東地方地方以西に広く帰化し、最近は増加傾向が著しく、水田雑草として問題になってきている。
     東京都でも田んぼはほとんどないが、川沿いや海岸近くの湿地などでよく見られる。

  • 同じ科の仲間の花
キシュウスズメノヒエ2

花序

小穂