コバンソウ(小判草)

Briza maxima


コバンソウ1

  • 科名・属名 : イネ科 コバンソウ属

  • 特徴 :
     草丈10〜60cmの1年草。逸出帰化。
     稈は単生または束生、基部がやや匍匐するが先は直立し、無毛。
     葉は線形〜線状披針形、長さ5〜25cm、幅1〜8mm。無毛で縁と上面はざらつく。葉鞘は円形、平滑で無毛。葉舌は高さ3〜5mm、白色で膜質。
     花序は茎の上部に円錐花序となり、長さ3〜10mmの細い枝を疎らに出し、1〜3個ずつ小穂をつける。小穂は下垂し、卵形〜楕円形で扁平だが厚みがあり、長さ8〜25mm、幅8〜12mm、7〜10個の小花がある。初め黄緑色で熟すと黄褐色に変わり、光沢がある。
     苞類は2個ともほぼ同形、長さ5〜7mm、無毛で基部は浅い心形になり、背面は丸く膨らんで舟形になる。外花頴は太い5〜9脈が目立ち、長さ5〜7mm、基部は耳状に張り出し、背面は丸く膨らんで基部近くが硬化し、全体または仏に微毛がある。内花頴は外花頴の1/2長、葯は1〜2mm。

  • 分布・生育地 :
     逸出帰化(地中海地方原産) (国外:世界の温帯域に広く帰化)

  • 果(花)期 :   5〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2016年4月30日  神奈川県茅ヶ崎市
     中上・全体2 2015年4月30日  東京都稲城市
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2016年4月30日  神奈川県茅ヶ崎市
     左下・小穂 2015年4月30日  東京都稲城市
     右下・葉鞘 2021年5月30日  神奈川県川崎市

  • 撮影記 :
     明治時代初期に観賞用として導入されたものだが、その後逸出帰化した。
     図鑑には本州〜九州の沿海地の砂地などにしばしば群生すると記載されているが、茅ヶ崎市の海岸近くで撮影したもののそういう場所に生えていた。
     また、日当たりのいい場所を好み、土壌の種類を選ばないとの記述もあり、荒地や明るい草地、畑、道端などでも見かける。
     写真のように初め黄緑色の小穂であるが、熟すと光沢のある黄褐色になり、いかにも小判をぶら下げているようで、和名がピッタリする。

  • 葉鞘

    同じ科の仲間の花
コバンソウ2

花序

小穂