モロコシガヤ(蜀黍茅)

Sorghum nitidum var. majus


モロコシガヤ1

  • 科名・属名 : イネ科 モロコシ属
     注.APG分類では、学名(S. nitidum var. dichroanthum)

  • 特徴 :
     草丈0.5〜1.2mの多年草。
     小さい株を作り、稈はやや細く叢生し、下方で分枝し、稈の節には白い長毛がある。
     葉は線形、長さ30〜50cm、幅5〜10mm。ゆるく反曲し、時に上面に毛がある。葉舌は半円形、葉鞘は上端と縁に毛がある。
     花序は長さ10〜20cmの頂生の円錐花序で長楕円形、苞はなく各節の枝は細く、長さ2〜6cmで数個輪生し、その上端に長さ1〜1.5cmの総を1個つける。総は数個の小穂があり、節間に赤褐色の毛がある。無柄小穂は広披針形〜狭卵形、長さ約5mm、黒〜赤褐色の毛が密生し、革質で光沢があり、第2小花の護頴は長さ2〜2.5cmの芒がある。有柄は雄性、時に短い芒がある。

  • 分布・生育地 :
     本州(紀伊半島以西)〜九州 (国外:朝鮮(南部)、中国)
     丘陵地や日当たりのいい草地

  • 花期 :   8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2016年7月31日  広島県東広島市
     中上・全体2(果期) 2014年9月13日  熊本県阿蘇
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・小穂(花期) 2016年7月31日  広島県東広島市
     下・小穂(果期) 2014年9月13日  熊本県阿蘇

  • 撮影記 :
     阿蘇に撮影に出かけた際、草原で見たことのないイネ科の植物に出会った。名前を教えられたがピンとこなかった。
     帰って調べると、西日本にしかない植物で、食用のモロコシと同じ属ということを知った。日本に自生するのはこの1種だけで、多くはアフリカに見られるようだ。
     阿蘇の時は果期だったので、花の時期に会いたいと思っていたら、夏に訪れた広島県の林縁で出合い、花の面白い形に惹かれた。

  • 同じ科の仲間の花
モロコシガヤ2(果期)

小穂1(花期)

小穂2(果期)