ムギクサ(麦草)

Hordeum murinum


ムギクサ1

  • 科名・属名 : イネ科 オオムギ属

  • 特徴 :
     草丈10〜50cmの1〜2年草。帰化。
     葉は線状披針形、長さ8〜13cm、幅5〜8mm。質は柔らかく、扁平で無毛。葉舌は短く、葉鞘の上部の縁に張り出した白い葉耳が目立つ。
     花序は長さ4〜7cmの穂状、小穂は花序の中軸の各節に左右交互に3個ずつつき、中央の小穂は無柄で両性で結実する1小花からなり、包頴は線状披針形で3脈があり、長さ2.5〜3cm、中央下部に縁毛がある。護類は広披針形で、芒は護類より著しく長い。左右の側小穂は退化して結実しない。

  • 分布・生育地 :
     日本全土に帰化(ヨーロッパ原産) (国外:北アメリカなど世界の温帯域に広く帰化)
     荒地、草地、道端

  • 花期 :  5〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2005年6月5日  長野県上田市
     中上・全体2 2019年7月26日  群馬県利根郡
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花序 2005年6月5日  長野県上田市
     左下・小穂(熟した)  2019年7月26日  群馬県利根郡
     右下・葉舌    同  上

  • 撮影記 :
     長野県の道端、初めて見た時は栽培種が逸出しているのかと思うほど、色付いた穂はよく似ていた。
     花仲間に本種と教えられ、帰って調べると図鑑にはビール麦やライ麦に似ていると記されていた。
     オオムギの品種改良の遺伝子源として使われたことがあるようで、日本には江戸時代末期には渡来したとされている。
     帰化種は基本的には部外者で、できればいて欲しくないが、こういう姿の花を見ると帰化種も面白いと思ってしまう。

  • 葉舌

    同じ科の仲間の花
ムギクサ2

花序

小穂(熟した)