|
- 科名・属名 : イネ科 ツキイゲ属
- 特徴 :
高さ30〜50cmの多年草。雌雄異株。
長い匐枝によって増え、稈は基部で分枝して木質化し、硬くて太い。
葉は稈上に密生し、線状円柱形の刺針状で反り返り、長さ5〜20cm、幅2.5〜3mm。先は急に尖り、表面には浅い溝があり、裏面は円い。質は硬く、淡緑白色。
雄花序は稈の頂に叢生する数個の総となり、長さ4〜8cm、総の先端には刺針がある。雄小穂は総の中央から上部に1個ずつ数個が互生し、長さ0.8〜1.2cm。
雌花序は径10〜20cmの総が放射状に出て、雌小穂は多数集まった刺針の基部に1個つく。
- 分布・生育地 :
九州(屋久島、種子島以南)〜沖縄 (国外:中国(南部)、台湾、東南アジア〜インド) 海岸の砂浜
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体 2006年9月2日 鹿児島県屋久島 (上は拡大写真あり、写真をクリック) 中・雌花序 同 上 左下・雄花序 2007年6月11日 鹿児島県屋久島 右下・葉 2021年3月16日 沖縄県宮古島
- 撮影記 :
イネ科の植物は美しい花が咲くわけではなく、見た目がパッとしないものがほとんどだが、この花はその特異な形から目を惹く。
イネ科に興味のなかった私でも、屋久島の海岸で初めて見たこの花には思わずカメラを向けた。
雌雄異株で、目を惹くのは放射状に総(分枝)を伸ばし、まるでハリネズミのような姿になった雌花序だ。
これが海岸の砂浜に生えている姿を見ると、バックに海を入れて写したくなるのは当然だ。
残念なのは、雌小穂が刺針の集まった基部につくことで、今なら間違いなく写すが、当時は全体の姿を写すだけで満足していた。
和名につく「イゲ」とは針のことで、その姿から名付けられたものだ。
同じ科の仲間の花
|