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- 科名・属名 : イネ科 ウンヌケ属
- 特徴 :
草丈80〜120cmの多年草。
稈は叢生し、大きな株となる。少数の節があり、基部は葉身のない鞘に囲まれ、黄褐色のビロード状の毛に密に覆われる。
葉は根生および2〜3個が稈につき、線形で長さ30〜40cm、幅3〜7mm。先は次第に尖り、縁は普通外反し、基部や葉鞘の上部を除き無毛。
花序は散房状に並び斜上する4〜7個の紐状の総からなる。総は長さ12〜15cm、黄褐色〜帯黄紫褐色のけが密にある。
小穂は披針形、長さ約5mm、2個ずつつき、両性で同形、総の節間より少し長く、密に毛があり、第4頴には長さ約2cmの芒がある。
- 分布・生育地 :
本州(中部地方以西)、九州 (国外:中国、インド) 日当たりのいい草地
- 花期 : 9〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2017年9月26日 愛知県 中上・全体2 2004年9月23日 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中中・花序 2017年9月26日 同 上 中下・総、以下全て 同 上
- 撮影記 :
初めて訪れた愛知県の低山、目的は草地に生えるため最近極めて少なくなったマツバニンジンの撮影のためだ。
目的の花、数はごく少なく、しかも午前中しか咲いていないということで、時間にも追われながらも何とか撮影し、ホッとして辺りを見回す余裕ができた。
目に入ったのはこのイネ科の植物だった。イネ科にはほとんど興味はなかったが、少ない花ということで名前だけは知っていて、参考にと撮影した。
十数年後、イネ科にも興味が出始めると、肝心の特徴を撮影していなかったことに気づき、近くに撮影に訪れたついでに立ち寄って見た。
以前目的にしていたマツバニンジンはほとんど見られなかったが、この植物だけは荒地に点々と生えていて、今度はじっくり撮影した。
同じ属のウンヌケモドキとともに絶滅危惧種(NT)とされる比較的少ない種類で、ウンヌケモドキは茎の基部が赤褐色を帯びるのに対し、本種では基部が黄褐色の毛で覆われる点が異なる。
なお、ウンヌケという変わった和名は、この植物の自生地である中京地方の方言で「牛の毛」の意味のようだ。
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