アリサンタマツリスゲ(阿里山球吊菅)

Carex arisanensis


アリサンタマツリスゲ

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(タマツリスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈30〜50cmの多年草。
     根茎は短く密に叢生し、匐枝を出さない。
     葉は3稜形、線形で幅6〜12mm。常緑、深緑色で基部の鞘は帯淡褐色。
     頂小穂は雄性で小さく、披針形で長さ4〜7mm、柄は極めて短い。側小穂は雌性、卵状球形で長さ6〜10mm、2〜6花をつけ、雄小穂に接近する最上部のものを除き長い柄がある。苞は葉状で鞘がある。有花茎は軟弱で、果胞が熟す頃には倒伏することが多い。
     雌鱗片は長楕円形〜披針状卵形、淡色。果胞は鱗片の約2倍、長さ5.5〜6.5mm、無毛で帯褐緑色、先の嘴は長く、口部は全縁〜凹形。果実(痩果)は広倒卵形で3稜形、花柱は短く、柱頭は3岐。

  • 分布・生育地 :
     沖縄(沖縄島、石垣島) (国外:台湾)
     山地樹林下

  • 花(果)期 :  3〜4月

  • 撮影月日・場所 :
     2014年3月22日  沖縄県石垣島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・小穂、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     同じ時期に何度も登ったことのあるこの山、興味の視点が少し変わるだけで、今まで気がつかなかった植物が色々目に入ってくる。
     目立たない固有種のシダに歓声を上げた後、これまた撮影を始めたばかりのカヤツリグサ科の植物にも気がついた。
     その時はただ撮影しただけで、帰って調べるとアリサン(阿里山)と台湾の地名がつけられているが、沖縄でも沖縄島と石垣島にしか分布しない稀少種とわかった。

  • 同じ科の仲間の花
雌小穂

花序