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- 科名・属名 :
カヤツリグサ科 スゲ属(ミヤシラスゲ節)
- 特徴 :
草丈30〜80cmの多年草。
根茎は短く叢生し、茎は時に果期に倒れることがあり、基部の鞘は濃赤色。
葉は線形、幅3〜7mm。
小穂は3〜4個つき、上部の小穂は接近してつき、下部のものは離れてついて長い柄があり、苞は葉身が発達し有鞘。
頂小穂は雄性で細く、長さ1.5〜3cm、幅約2mm。側小穂は雌性、円柱状で長さ1.5〜3.5cm、幅約5mm。
鱗片は雄花・雌花ともに凹頭芒端、中脈は緑色、側面は膜質で褐色を帯び、雌花の鱗片は芒を含め果胞と同長かやや長く、長さ3.5〜4mm。果胞は広卵形、長さ3〜3.5mm、多数の脈があり無毛、先は急に短い嘴となり、口部は2歯、乾くと黒変し、嘴は長さ約3mm。柱頭は3岐。果実は倒卵形で3稜があり、黄褐色で光沢があり、長さ約2mm。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:朝鮮、中国、台湾) 平地〜低山地の湿った草地、林縁
- 花期 : 4〜6月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2023年5月3日 神奈川県川崎市 中上・全体2、以下全て 同 上 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
- 撮影記 :
ヤワラスゲに非常によく似たこのスゲ、分布域は広いもののヤワラスゲよりはるかに少なく、何とか出会いたいものだと県外や「神奈川県植物誌」に記録のある場所を探したが見つけられなかった。
ある時、川崎市内に自生地があるという情報を得、GWの1日探しに出かけた。
ヤワラスゲによく似ているが、果胞の嘴が短くて急に尖るのが違いとされるが(右下の写真)、見分けられるかどうか心配だった。
林縁の草地を探しながら歩いていると草叢の中にそれらしきスゲを見つけた。雌小穂を見ると果胞の円さが全く異なりすぐに本種とわかり、じっくり時間をかけて撮影した。
和名はこの果胞の感じが粟粒に似ていることからつけられているようだが、なるほどと納得できた。
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