ハナビスゲ(花火菅)

Carex cruciata


ハナビスゲ


  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(ハナビスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈40〜100cmの多年草。
     全体に大きく、株は緩く叢生する。
     葉は線形、幅6〜15mm。基部は時に一部が少し赤血色を帯びる。
     花は茎頂や葉腋に、よく分枝し長さ3〜10cmの大型の円錐花序を数個つける。下方の苞は葉状で葉鞘がある。枝と小枝は小刺毛がありざらつく。
     小穂は雌雄性で開出し、長さ5〜10mm。上部に雄花、下部に雌花をつけ、雄花部と雌花部はほぼ同長、淡黄褐緑色で赤褐色を帯びる。
     雌鱗片は卵形〜広卵形、鋭頭、淡褐色で果胞より短い。果胞は膨れた卵形で縁がざらつき、長さ3〜4mm、先は急に細長い嘴となり、口部は斜めに切れ、細脈がある。果胞は熟すと著しく膨らみ、白色になる。柱頭は3岐。

  • 分布・生育地 :
     九州(長崎・熊本県、鹿児島県(屋久島・種子島)) (国外:中国(南部)、台湾、東南アジア〜インド、インドネシア、オーストラリア)
     林縁のやや湿った所

  • 果(花)期 :  9〜11月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2015年4月11日  鹿児島県屋久島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・花序    同  上

  • 撮影記 :
     春先に咲く花を捜しに訪れた屋久島、遊歩道を歩いていると変わったスゲが目に付いた。
     当時、カヤツリグサに興味はなかったが、白い綺麗な果実が印象的で撮影したが、稈が途中で折れていたため参考程度だった。
     その後、カヤツリグサ科にも撮影の範囲を広げると、屋久島で見たこのスゲは比較的珍しいものであることを知った。
     いい状態で撮影したいとその後同時期に訪れたが、撮影した4月は本来の花(果)期ではなく、秋に訪れる必要があるがまだ果たしていない。

  • 同じ科の仲間の花
熟した果胞