ヒメスゲ(姫菅)

Carex oxyandra


ヒメスゲ1


  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 スゲ属(ヒメスゲ節)
     注.APG分類では、学名(C. oxyandra var. oxyandra)

  • 特徴 :
     草丈10〜30(〜50)cmの多年草。
     根茎は斜上し、時に匐枝を出す。茎は細くて果期には倒れる。
     葉は線形で幅2〜3mm。基部の鞘は赤紫色を帯びる。
     小穂は上部に接近してつき、頂小穂は雄性、黒紫色で長さ5〜8mm。側小穂は2〜5個つき雌性、最下部のものを除き相接してつき、卵円形で長さ5〜8mm、幅約5mm。苞は葉身が発達せず、鱗片状で無柄。
     雌鱗片は卵形で鋭頭、黒紫色で長さ2〜3mmと果胞より少し短い。果胞は倒卵形で鈍3稜形、長さ2.5〜3mm、無脈で有毛、短い嘴があり、口部は黒紫色を帯びる。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:朝鮮、樺太、千島、台湾)
     山地〜高山の林内、草地、岩場

  • 果期 : 5〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2015年7月13日  群馬県至仏山
     中1・全体2 2016年5月23日  栃木県日光戦場ヶ原
     (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック)
     中2・小穂1 2015年6月1日  長野県北八ヶ岳
     中3・小穂2(成熟) 2018年8月4日  福島県吾妻山
     中4・雌鱗片,果胞 2023年7月26日  静岡県富士山
     左下・果胞,果実、右下・茎基部    同  上

  • 撮影記 :
     スゲ類に興味を持ち始め注意して山を歩くと、よくこのスゲに出会う。
     草地や岩場、林下など色々な場所に生えていることや、小穂が黒紫色をしているので以外と見つけやすいスゲである。
     和名は全体に小型であることで姫菅と付けられているが、50cm近くなる株もあって決して小さなものではない。山にはもっと小さなスゲも多い。

  • 茎基部

    同じ科の仲間の花
ヒメスゲ2

小穂1

小穂2(成熟)

雌鱗片(左)・果胞(右)

果胞(左)・果実(右)