フサカンスゲ(房寒菅)

Carex tokarensis


フサカンスゲ

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(コカンスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈40〜100cmの多年草。
     根茎は短く叢生し、基部の鞘は淡褐色で脈は紫褐色。
     葉は常緑、幅5〜10mm、平滑だが縁は多少ざらつく。
     有花茎は葉より高く、5〜8節あり、各節に3〜8個の小を束生する。小穂は長い柄があって点頭し、雄雌性で長さ3〜6cm、基部に雌花部、先に雄花部がつき、雄花部は雌花部の1〜2倍の長さ。上部の節につくものは雄花部が長くなり、時に雄小穂となる。
     雄花の鱗片は長さ4〜5mmで栗褐色、雌花の鱗片は長さ3〜4mmで先は尖り栗褐色。
     果胞は長さ5〜7mm、鱗片より長く、黄緑色で細脈が多数あり、有毛、嘴の口部は褐色を帯び、鋭2歯。痩果は長卵形、長さ約4mm、基部は太い柄状、先端は直立する嘴、柱頭は3岐。

  • 分布・生育地 :
     九州(鹿児島トカラ列島) (国外:日本固有)
     常緑樹林下の沢沿い

  • 果(花)期 :  4〜5月

  • 撮影月日・場所 :
     2015年4月9日  鹿児島県トカラ列島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・雌小穂    同  上

  • 撮影記 :
     朝からかなり激しく冷たい雨、この日東京では季節外れの霙(みぞれ)が降ったようだ。
     登山客など誰一人いないトカラ列島の小島、この島で見られるカンアオイの撮影にやってきたが最悪の日になった。
     目的のカンアオイは早々に見つかり、何とか目的は達成したと下山にかかる。
     少し小降りになった雨の林道は、林縁に色々な花やシダが見られ面白い。
     このスゲもそんな林縁の沢の側に咲いていたもので、事前に調べてきたのですぐに本種とわかった。
     ただ、小穂は雨に濡れ、しかも状態はまだ若い。また訪れる必要があると思いつつ撮影した。

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雌小穂