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- 科名・属名 : カヤツリグサ科 ホタルイ属
注.APG分類ではフトイ属、学名(Schoenoplectus tabernaemontani)
- 特徴 :
草丈0.5〜2.5mの多年草。
地下茎は太くて硬く、横走し、根は地下茎の全体から密に出る。
茎は単生するか2〜3本が束になり、円柱形で径2〜10mmと太い。平滑で基部から上には節がない。
葉は普通葉鞘が長さ9〜60cmあるが、葉身は葉鞘先端の短い突起となるか、時に線形で長さ約25cmになる。
花序は茎の先に短い苞の脇から0〜20個の柄を出し、柄は長いものは約15cmになり、さらに0〜2回分枝し、全体で2〜150個の小穂をつける。苞は円柱形〜扁平で、長さ1〜9cm、普通花序より短い。
小穂は卵形〜長卵形、長さ0.5〜1.8cm。鱗片は卵形〜狭卵形、長さ2.5〜4mm。わら色で濃赤褐色、しばしば上向きの刺があってざらつき、上半分に縁毛があり、凹頭で長さ0.2〜1mmの芒がある。葯は長さ1.5〜2mm、柱頭は2岐。
果実は倒卵形〜狭倒卵形、レンズ形で長さ1.7〜2.8mm、幅1.1〜1.6mm、平滑、暗灰褐色で光沢がある。花被片は刺針状で4〜6本、果実とほぼ同長、下向きにざらつく。
- 分布・生育地 :
日本全土 (国外:ユーラシア、オーストラリア、南北アメリカ、アフリカ) 平地〜山地の池、湖沼、川岸などの浅水中
- 果(花)期 : 7〜10月(沖縄では5月〜)
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2011年5月24日 沖縄県西表島 中・全体2 2011年7月28日 兵庫県三木市 (上、中は拡大写真あり、写真をクリック) 左下・小穂1(花期) 2011年5月24日 沖縄県西表島 右下・小穂2(果期) 2016年6月27日 宮崎県児湯郡
- 撮影記 :
池や沼の縁で群生していることが多く、中には2mを越えるような大きさにまでなるようだが、そこまでの大きさのものは見たことがない。
カヤツリグサ科の茎は3角形をしたものがほとんどだが、本種は太くて円い茎を持つので見分けやすい。
写真でもわかるように、池や湖沼の縁でも少し水があるような場所が好きなようで、群生していても近くで観察するには長靴が必要な所が多い。
日本全土にあり、古い図鑑ではヨーロッパやアメリカ大陸のものとは異なるような記述もあるが、最新の図鑑では広く世界に分布する共通種とされている。
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