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- 科名・属名 :
カヤツリグサ科 スゲ属(クグスゲ節)
- 特徴 :
草丈40〜70cmの多年草。
根茎は短く、茎を叢生する。
葉は硬く、幅4〜6mm。基部の葉鞘は葉身がなく、一部赤褐色を帯びる。
小穂はやや接近してつき、頂小穂は雄性、線形で長さ1.5〜3cm。側小穂は雌性で3〜5個がやや接近してつき、長楕円形で長さ1.5〜3cm、幅1.5〜1.8cm。密に多数の果胞をつける。最下の苞は葉状で葉身が長く無鞘。
雌鱗片は狭長楕円形、淡色で上端は細かい縁毛が生え、やや凹頭で長い芒がある。果胞は熟すと著しく平開し、狭披針形で扁平、長さ7〜9mm、多数の脈があり無毛、嘴の口部は2深裂し、裂片は熟すと外曲する。柱頭は3岐。
- 分布・生育地 :
北海道〜本州(関東地方以北) (国外:朝鮮、中国、ウスリー) 川岸や池端の水湿地
- 果(花)期 : 5〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2016年6月1日 千葉県我孫子市 中上・全体2 2016年6月1日 千葉県柏市 中中・全体3 2018年6月26日 山梨県富士五湖 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・小穂1 2016年6月1日 千葉県柏市 左下・小穂2 同 上 右上・葉 2018年6月26日 山梨県富士五湖 右下・基部の鞘 同 上
- 撮影記 :
日本のスゲ属は250種ほどが知られ、最も多くの種類が含まれる属である。
ただ、いずれも派手な花をつけるわけではなく、褐色〜緑色の地味な小穂をつける目立たないものが多い。
その中で本種は大きな目立つ雌小穂をつけ、その姿が高尚だとして上臈(じょうろう)の和名がつけられている。
絶滅危惧1B種に位置づけられる少ない種で、色々な情報を調べたうえ千葉県北部に探しに出かけた。
水湿地に生えるので他の草に紛れて見つかり難いのではないか、いや大きな小穂をつけるので見つけやすいだろうと色々考えながら湖の周りを歩き始めた。
すると、さほど歩かないうちに水路際に生えていたこのスゲを見つけた。予想通り見栄えのするスゲだった。
この日は別の場所でもこのスゲを見つけ、大満足の一日だった。
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