カヤツリスゲ(蚊帳吊菅)

Carex bohemica


カヤツリスゲ1

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(カヤツリスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈15〜30cmの多年草。
     根茎は発達せず稈を叢生する。
     葉は幅2〜3cm。
     花序は多数の小穂が茎頂に頭状に密集してつき、長さ幅とも1.5〜2cm。下部の2〜3個の苞は葉状で著しく長い。
     小穂は雌雄性、多数の雌花と基部に少数の雄花をつける。
     雌鱗片は披針形、先は鋭尖頭で芒端。果胞は直立し、狭披針形〜披針形、黄緑色〜淡緑色、膜質で長さ7〜10mm、縁は狭い翼状でざらつき、基部は柄状。上部は嘴状となり、口部は2深裂する。
     果実は長さ約2.5mm、短い柄がある。柱頭は2岐。

  • 分布・生育地 :
     北海道(阿寒、屈斜路湖)、本州(山梨県富士五湖周辺) (国外:シベリア〜ヨーロッパ)
     湖畔の砂地

  • 果(花)期 :   6〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2018年6月26日  山梨県富士五湖
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     スゲというよりカヤツリグサのような草姿からこの和名がつけられていて、是非お目にかかりたいものだと思っていた。
     ただ、比較的少ない種で、北海道と本州の限られた湖畔に自生地が知られている。
     その自生地の一つ、富士五湖のこの辺りではないかと見当をつけた場所でこのスゲを探す。
     イメージしていた環境に合う場所がなく、しばらく歩いていると草叢の中にこのスゲを見つけた。
     確かにこれまで見てきたスゲとは違う面白い姿だった。

  • 葉

    茎基部

    同じ科の仲間の花
カヤツリスゲ2

花序

小穂

果胞・雌鱗片