コウキヤガラ(小浮矢柄)

Scirpus planiculmis


コウキヤガラ1


  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 ホタルイ属
     注.APG分類ではウキヤガラ属(Bolboschoenus)、学名(B. koshevnikovii)

  • 特徴 :
     草丈40〜100cmの多年草。
     地下茎は長く伸びて横走し、基部は少し肥厚する。
     葉は主に根元に集まってつき、葉身は線形、幅2〜5mm。縁はざらつき、葉身の横断面は扁平。
     花序は茎頂に1〜6個の無柄の小穂が頭状に集まるか、少し柄が伸びてつく。総苞片は1〜3個、線形で扁平で縁はざらつき、散開するが最下のものはやや直立する。小穂は卵形〜卵状楕円形、光沢のある赤褐色、長さ8〜15mm、幅6〜8mm。
     小穂の鱗片は膜質、長さ5〜6mm、細毛があり、凹頭、中肋は細く、先は突出して少し反曲する長さ1〜2mmの芒となる。花柱は2岐、刺針状花被片は2〜4個で脱落しやすい。
     果実は広倒卵形、レンズ状で、光沢のある黄褐色〜褐色、両端が少しへこみ、長さ3〜4mm。
     別名 エゾウキヤガラ

  • 分布・生育地 :
     日本全土 (国外:朝鮮、中国、サハリン、アムール)
     海岸近くの湿地

  • 果(花)期 :  7〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2024年6月26日  東京都江戸川区
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     ウキヤガラが内陸部にあるのに対し、本種は海岸近くに湿地に生え、神奈川県でも河口近くに記録があることから、何度か探しに出かけたが見つけられずにいた。
     東京都の埋立地にあるという情報を得て探しに出かけたが、池や海岸の湿地では見つけられなかった。
     あきらめきれず埋立地を1周すると、防波堤の内側、潮水が溜まった小さな水溜りの湿地でやっとそれらしき花に出会うことができた。
     ウキヤガラに比べやや小さく、花序は頭状かほとんど伸びず、花柱が2岐するなどの本種の特徴を撮影した。

  • 葉

    葉(断面)

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コウキヤガラ2

花序

果序

鱗片・果実