ナルコスゲ(鳴子菅)

Carex curvicollis


ナルコスゲ1

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(クロボスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈20〜40cmの多年草。
     茎は密に叢生し、短い匐枝を出す。
     葉は線形で、幅2.5〜3.5cm。
     小穂は茎の上部に集まり、頂小穂は雄性、線形で長さ1〜2cm。側小穂は雌性で2〜6個がやや接近してつき、長さ1.5〜4cm、幅5〜8mm、細い柄があって先は垂れ下がる。
     雌鱗片は紫褐色を帯び、果胞の1/2〜1/3位の長さ。果胞はやや扁平な狭披針形で長さ4〜5mm、長い嘴があり、柱頭は3岐する。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:日本固有)
     山地の渓流際

  • 果期 :  4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2014年5月12日  東京都青梅市
     中上・全体2 2021年4月28日  東京都御岳山
     中下・全体3(花期) 2016年3月27日  東京都高尾山
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・雄雌小穂 2021年4月28日  東京都御岳山
     左下・雌鱗片、果胞    同  上
     右下・基部の葉鞘    同  上/li>
  • 撮影記 :
     新緑に誘われて山に出かける。好天に恵まれても風はまだ涼しさを残していて気持ちいい。
     そんな山道の側を流れる沢の流れに、覆いかぶさるようにスゲが小穂が垂れていた。群生することが多いこのスゲだ。
     やや斜めに延びた花茎にいくつかの小穂をぶら下げ、その姿を鳴子のぶら下がった様子に見立てての和名と思われる。
     写真の雌小穂は真下を向いて着いているように見えるが、実際は少し斜めになっている。また、この個体の鱗片は紫褐色が濃いが、色の薄い個体も多い。

  • 基部の葉鞘

    同じ科の仲間の花
ナルコスゲ2

ナルコスゲ3(花期)

雄・雌小穂

雌鱗片・果胞