ネビクグサ(根引草)

Machaerina rubiginosa


ネビクグサ1


  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 ネビクグサ属

  • 特徴 :
     草丈30〜100cmの多年草。
     地下茎は鱗片に覆われ、長く匍匐する。
     茎は直立し、円柱形で鈍3稜形〜扁平、平滑で幅2〜3mm。
     葉は大部分が根生し、2列につき、線形で茎より短い。扁平で平滑、粉白緑色で光沢はない。
     分花序は円錐形で3〜5個つき、それぞれ5〜8個の小穂からなり、長さ1〜1.5cm、総苞片は鞘状で、時に短い葉身がある。小穂は卵状楕円形、長さ5〜6mmで赤褐色、6〜7花がある。小穂の鱗片は卵状楕円形、鋭頭で縁毛がある。雄しべは3個、柱頭は3個。
     果実は長楕円形、鈍3稜形で長さ約3mm、光沢があり、上端に密毛のある扁平な花柱基部が残る。
     別名 アンペライ

  • 分布・生育地 :
     本州(東海地方以西)〜沖縄 (国外:インド、スリランカ、インドネシア、オーストラリア)
     湿地

  • 果期 :  8〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2023年7月25日  静岡県磐田市
     中上・全体2、以下全て    同  上
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     高校時代は生物部で、地元にあるその池には、昆虫採集でよく出かけていた。
     その頃は植物にはほとんど興味がなく、その池に北限のこの植物があることは全く知らなかった。
     存在を知ってから2〜3度訪れたが、花(果)期ではなかったこともあり、花(果)序を見ることはなかった。
     やっと果期に訪れたが、緑の葉が茂るだけで果序は見当たらなかった。
     しかし、この時期ならきっとあるはずと探すと、やっと果序をつけた株が2〜3見つかり撮影できた。
     図鑑によると果実の熟すのは8〜10月ちあるが、7月末でもう小穂はほとんどが落ちかけていた。
     和名のネビキグサ(根引草)は、この株が簡単に引き抜けることからつけられているとのことだ。

  • 茎基部

    茎断面

    同じ科の仲間の花
ネビクグサ2

果序

小穂

鱗片・果実