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- 科名・属名 :
カヤツリグサ科 スゲ属(クロボスゲ節)
- 特徴 :
草丈30〜60cmの多年草。
根茎は密に叢生して大型の株になり、谷地坊主を作る。
基部の鞘は葉身がなく、栗褐色〜暗褐色、光沢があり、やや繊維状に分解する。
葉は線形、幅1〜1.5cmと細く、粉緑色で硬い。
小穂は上部に集まってつき、頂小穂は雄性、線形で、長さ2〜3cm。側小穂は1〜2個、雌性で、ほとんど柄がなく直立し、長さ5〜10mm、幅約5mm。ほとんど球状のことが多い。苞は鱗片状で鞘は無い。
雌鱗片は暗紫褐色、鋭頭〜鈍頭、果胞と同長か少し短い。
果胞は楕円形でやや扁平、長さ3〜3.5cm、密に細突起があって光沢が無く、数脈があり、灰緑色、先は極めて短い嘴となり、口部は全縁。
果実は広倒卵形で3稜があり、長さ約2mm。柱頭は3岐。
- 分布・生育地 :
本州(東北〜中部地方)、九州(北部) (国外:朝鮮、中国(東北部)、シベリア(東部) 湿原
- 果(花)期 : 5〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2021年5月23日 大分県由布市 中1・全体2 2021年5月9日 茨城県稲敷市 (上、中1は拡大写真あり、写真をクリック) 中2・小穂1 2021年5月23日 大分県由布市 中3・小穂2 2021年5月9日 茨城県稲敷市 中4・果胞、雌鱗片 2021年5月23日 大分県由布市 左下・果胞、果実 2021年5月9日 茨城県稲敷市 右上・谷地坊主 2021年5月23日 大分県由布市 右下・基部の鞘 2021年5月9日 茨城県稲敷市
- 撮影記 :
スゲ類に興味を持ち始め、図鑑を見ていると、格好いいこのスゲの写真に出会った。
是非出会いたいものだと思い関東地方の自生地をいくつか探したが、絶滅危惧種に指定されているような希少種で、見つけることはできなかった。
ある年、その湿原の一つに再度訪れ、丁寧に探すとそれらしきスゲを見つけた。
しかし、図鑑の写真では卵形の雌小穂は、長楕円形のものが殆どで、感じが異なっていて自信が持てなかった。
同じ年、九州の自生地で大きな谷地坊主を作っている図鑑のイメージ通りのこのスゲに出会えた。
観察すると、果期の初め頃は卵形であるが、後に少し長くなるようで、関東で出会ったスゲも同一種であることが分かった。
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