オニナルコスゲ(鬼鳴子菅)

Carex vesicaria


オニナルコスゲ1

  • 科名・属名 : スゲ科 スゲ属(オニナルコ節)属

  • 特徴 :
     草丈40〜100cmの多年草。
     長い匐枝を伸ばし、茎は5〜10本が叢生する。茎の基部の鞘は赤褐色を帯び、少し繊維状に分解する。
     葉は線形で幅3〜8mm。
     小穂は4〜6個、互いに離れてつき、上方の2〜3個は雄性、線形で長さ3〜5cm。下方の2〜3個は雌性、短い円柱形で黄緑色、長さ3〜7cm、幅8〜10mm。苞は葉状でほとんど無柄。
     雌鱗片は狭卵形、褐色を帯び、先は鋭り、果胞と同長かやや短い。果胞は長さ6〜8mm、淡黄緑色、表面は無毛で光沢があり、先は次第に長い嘴となり、口部は2歯、柱頭は3岐。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:北半球の温帯に広く分布)
     山地〜平地の湿地、河畔

  • 果(花)期 :   4〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2017年4月30日  千葉県香取郡
     中上・全体2 2015年6月24日  栃木県日光戦場ヶ原
     中中・全体2 2019年5月4日  茨城県稲敷市
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・雄雌小穂 2017年4月30日  千葉県香取郡
     左下・雌小穂 2016年5月1日    同  上
     右上・果胞、雌鱗片 2019年5月4日  茨城県稲敷市
     右下・果胞、果実 2021年年5月9日    同  上

  • 撮影記 :
     千葉県北部の湿地、多くのスゲ類が見られると知り、GWの1日出かけて見た。
     まだヨシもさほど伸びていない時期、湿地やその周辺をこまめに探したが、広い湿地とあって目的のスゲのいくつかしか見つけることができなかった。
     このスゲも枯れたヨシの残る中、まだ柱頭がついたままの黄緑色の若い雌小穂をいくつかつけて生えていた。
     前年日光戦場ヶ原でも見かけていたが、木道からやや距離があり、今回やっと間近で小穂を観察できた。

  • 果胞・雌鱗片

    果胞・果実

    同じ科の仲間の花
オニナルコスゲ2

オニナルコスゲ3

雄雌小穂

雌小穂