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- 科名・属名 : カヤツリグサ科 ハリイ属
- 特徴 :
草丈30〜70cmの多年草。
長く横に這う地下匐枝があり、群生する。
茎は円柱形で幅2〜5mmと太く、平滑で柔らかい。乾くと扁平になる。葉鞘は赤褐色、口部は横切形。
小穂は茎の先に1個つき、披針形〜卵形、長さ1〜3cm、幅3〜6mmと茎よりやや太く、やや鈍頭で濃褐色の鱗片がらせん状につき、基部の2個は小花がない。
鱗片は長楕円状披針形〜狭卵形、長さ約5mm。薄い膜質、先はやや鈍く、鉄錆色で縁は幅広く白い。柱頭は2岐。
果実は広倒卵形、長さ1.5〜2mm、断面はレンズ形、黄褐色でで少し光沢がある。柱基は圧扁された3角錐状でやや円みを帯びる。刺針状花被片は5〜6本、果実の倍長で下向きにざらつく。
別名 ヌマハリイ
- 分布・生育地 :
北海道、本州、九州 (国外:朝鮮、中国(東北部)、ウスリー) 山地の浅い池沼
- 果(花)期 : 7〜10月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2018年8月4日 福島県吾妻山 中・全体2 2018年7月24日 群馬県尾瀬ヶ原 (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・小穂1 同 上 左下・小穂2 2018年8月4日 福島県吾妻山 右下・果実 同 上
- 撮影記 :
草本植物を中心に撮影してきたが、木本や草本でもカヤツリグサ科やイネ科の植物にも目を向け出すと、見える植物が大きく変わってくる。
何十回も訪れていた尾瀬でも、ここにこんな植物があるのかと驚きの連続だった。
この時初めて目にした(というより初めて気がついたというのが正しいだろうが)、多くのカヤツリグサ科の植物を撮影した。
10日程後訪れた福島県の山でも、浅い水中にこの植物が群生していた。
この仲間はよく似たものが多いが、茎が2〜5mmとやや太く、小穂が鉄錆色、小穂の下方の2個の鱗片に小花がつかない、果実が大きいなどの違いがある。
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