オオサンカクイ(大三角葦)

Schoenopiectus grossus


オオサンカクイ

  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 ホタルイ属
     注.APG分類ではオオサンカクイ属で、学名は(Actinoscirpus grossus)

  • 特徴 :
     草丈150〜220cmの多年草。
     地下茎は横に長く伸び、先端に小さな塊茎をつける。
     茎は単生し、鋭3稜形でサンカクイより鋭角で、幅6〜13mm、柔らかく、基部より上には節がない。
     葉は3〜5個で根生し、葉身は線形で扁平、長さは90cm位まで伸び、幅0.7〜1.5cm。平滑で葉舌がある。
     花序は頂生し、散房状で幅5〜15cm、多数の小穂からなる。総花柄は長いものは18cmになる。総苞片は3個、線形で葉状、扁平、開出する。小穂は狭卵形〜広卵形で円柱形、長さ3〜13mm、幅2.5〜4mm。有柄。
     花被片は3〜6個、刺針状で、下向きか開出する疎らな刺がある。雄しべは3個、葯は長さ1〜1.5mm。
     鱗片はらせん状につき、狭卵形〜卵形、長さ1.8〜2.5mm、幅1.2〜1.6mm。膜質で背軸に細毛がある。
     果実は広倒卵形、扁3稜形で長さ1.4〜1.7mm、幅0.9〜1.2mm。

  • 分布・生育地 :
     小笠原諸島 (国外:中国、台湾、南〜東南アジア、オーストラリア)
     池などの水中

  • 果(花)期 :  6〜8月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2011年6月27日  東京都小笠原諸島
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     下・花序    同  上

  • 撮影記 :
     初めて訪れた小笠原諸島、固有種が多い島なので事前によく調べてから訪れた。
     母島の遊歩道を歩いていると小さな池があり、そこに草丈の高いこの植物が群生していた。
     サンカクイに似ているが、草丈ははるかに大きく、三角形の茎の稜角も鋭いなどという違いがある。
     国外では広く分布しているようだが、日本では沖縄には知られておらず、どうゆう訳か小笠原のこの池だけに生えている。
     残念なことに、当時はカヤツリグサ科やイネ科には全く興味がなかったため、特産種として記録的に撮影しただけだった。今思うと非常に惜しいことをした。

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花序