リュウキュウヒエスゲ(琉球稗菅)

Carex collifera


リュウキュウヒエスゲ1

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(ヒエスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈10〜30cmの多年草。
     根茎は短く叢生する。基部の鞘は淡褐色を帯び、多少は繊維に分解する。
     葉は線形、幅1.5〜4mm、深緑色でややざらつく。
     花茎はやや高い花茎と基部に埋もれる低い花茎があり、頂小穂は雄性、少数の花をつけ、長さ5〜10mm。側小穂は雌性、1〜3個やや接近して数花つけ、長さ5〜10mm。苞は有鞘、頂小穂と同長かやや高くなる。
     雌鱗片は緑白色、卵形で先は鋭く尖り、果胞よりやや短い。
     果胞は狭卵形、長さ5〜6mm、緑色で細脈が多数あり無毛、先は長い嘴となる。
     果実(痩果)は長楕円形で3稜があり、長さ約4mm、稜の中部が浅く凹み、頂部は短い嘴となり花柱基部に繋がる。柱頭は3岐。

  • 分布・生育地 :
     沖縄 (国外:日本固有)
     乾いた広葉樹林下

  • 果(花)期 :   3〜4月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2017年3月16日  沖縄県国頭郡
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     マングース捕獲のために作られたいわゆる「マングース道」、沖縄島北部の山中には登山道はほとんどなく、こういったマングース道がいくつも走っている。
     もちろん国土地理院の2.5万分の1の地図にも記載はなく、地元の方と一緒でなければとても入ってはいけない。
     そんなマングース道の尾根筋、やや上り道の途中に何株かこのスゲが生えていた。
     沖縄本島北部、国頭郡の広葉樹林下だけに分布する比較的少ない種で、やや高い有花茎の他に根元にも短い有花茎がつくことが特徴である。

  • 頂小穂・苞

    同じ科の仲間の花
リュウキュウヒエスゲ2

雄・雌小穂