テンツキ(点突)(広義)

Fimbristulis dichotoma


テンツキ1


  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 テンツキ属
     注.APG分類では、狭義のテンツキの学名は(F. dichotoma var. tentsuki)

  • 特徴 :
     草丈15〜50cmの一年草。
     根茎は短いか無く、多少とも毛がある。
     葉は線形、幅1.5〜4mm。無毛か時に有毛で、葉鞘はやや毛が多い。
     花序は茎の先の苞の間から出た枝が2〜3回分枝し、それぞれの柄の先に小穂をつける。小穂は狭卵形〜長卵形、黄褐色〜赤栗褐色を帯びて光沢があり、長さ5〜8mm、幅2.5〜3mm、稜角はない。
     鱗片は卵円形〜広卵形、長さ2〜3mm、無毛、著しく鋭頭で淡凸端になる。
     果実は広倒卵形レンズ形、長さ0.8〜1.2mm、隆起する横長長楕円形の格子紋がある。柱頭は2岐。

  • 分布・生育地 :
     日本全土 (国外:朝鮮、中国、東南〜南アジア、インドネシア、オーストラリア、アフリカ)
     田の畔、湿った草地

  • 花期 : 7〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2016年9月30日  神奈川県川崎市1
     中1・全体2 2018年9月6日  東京都葛飾区
     中2・全体3 2019年8月12日  神奈川県川崎市2
     (上、中上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中3・花序1 2018年9月6日  東京都葛飾区
     中4・花序2 2024年8月20日  静岡県静岡市
     左下・小穂 2018年9月16日  神奈川県川崎市1
     右上・鱗片(左)、果実(右) 2018年9月9日  栃木県渡良瀬遊水地
     右下・茎基部 2019年8月12日  神奈川県川崎市2

  • 撮影記 :
     テンツキを漢字で書くと「天突」と思っていたが、調べると「点突」が一般的らしい。ただ、有名な植物学者牧野富太郎氏は「その小穂で点を突け得るとの意味か、小穂が上を向くことから、天を衝くとの意味か」と推測しているほか、小穂が小さいので「点付」という説もあるようの諸説色々だ。
     全国的広く分布し、田の畔や湿った場所に普通に生えるため、変種や品種が多く記載されているが、正直いって区別はよくわからない。
     アップした写真は狭義のテンツキでいいと思うが。

  • 鱗片(左)・果実(右)

    茎基部

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テンツキ2

テンツキ3

花序1

花序2

小穂