トマリスゲ(泊菅)

Carex middendorffii


トマリスゲ1

  • 科名・属名 : カヤツリグサ科 スゲ属(アゼスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈30〜70cmの多年草。
     根茎は斜上し、密に叢生する。
     葉は硬く灰緑色で、有花茎よりやや短く、幅2〜4mm。基部の鞘は葉身がなく、光沢のある淡黄褐色で糸網がある。
     小穂は3〜5個、上方の1〜3個は雄性、長さ2〜3cm、下方のものは雌性で、先端に短く雄花部があり、長さ1.5〜4cm、幅3〜8mm。最下のものは長い柄があって垂れ下がる。苞は短い葉身があり鞘は無い。
     雌鱗片は長楕円形で鋭頭〜鈍頭、濃褐色で果胞と同長かやや短い。
     果胞は広卵形で灰緑色、レンズ形で膨らまず、長さ4〜5mm、表面に微細な乳頭状突起と数脈がある。嘴は短く口部は全縁。果実は広卵形でレンズ状、長さ2.5〜3mm。柱頭は2岐。
     別名 ホロムイスゲ、クロスゲ

  • 分布・生育地 :
     北海道〜本州(中部以北) (国外:千島、サハリン、カムチャッカ、ウスリー)
     高層湿原

  • 果(花)期 :  6〜7月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2019年7月26日  群馬県尾瀬ヶ原
     中・全体2、以下全て    同  上
     (上、中は拡大写真あり、写真をクリック)

  • 撮影記 :
     2年続けてスゲ類の撮影に尾瀬を訪れた。
     前年とほぼ同時期だったが、前年はかってないほど季節の進みが速かったので、生えている花には大きな違いが見られた。
     このスゲも前年は目にしなかったが、今年はやや遅めながら点々と小穂をつけているのに出会えた。
     尾瀬は数十回ほど訪れているが、何を目的にするかによって見えてくる花が全く変わってくる。
     スゲも以前は全く目に入っていなかった植物で、視点が違うだけで初めて気がつく植物がこんなに多いのかとびっくりした。
     和名のトマリ(泊)は北海道の泊村からつけられたのかと思ったが、泊の地名は北海道だけでなく、サハリンや千島にもあることからはっきりしないようだ。

  • 基部の鞘 同じ科の仲間の花
トマリスゲ2

上方の雄・雌小穂

最下の雌小穂