ツルミヤマカンスゲ(蔓深山寒菅)

Carex shikokiana


ツルミヤマカンスゲ

  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 スゲ属(ヌカスゲ節)

  • 特徴 :
     草丈20〜35cmの多年草。
     株は叢生するが、地上性の太い匐枝を伸ばし、栄養繁殖する。
     葉は常緑で幅4〜8mm、基部の鞘は赤褐色〜紫褐色を帯びる。
     前年葉の束の中央から有花茎を伸ばして小穂をつける。頂小穂は雄性、赤褐色を帯び、長さ1.5〜2.5cm。側小穂は雌性で2〜4個つき、細柱状でやや疎らに果胞をつける。最下のものは時に根際に生じる。
     果胞はやや大型で嘴が長く、長さ3.5〜4mmで無毛。口部は全縁または不明の2歯。

  • 分布・生育地 :
     本州(関東地方南部〜近畿地方)、四国、九州(北部) (国外:日本固有)
     山地の

  • 果(花)期 :   5〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体 2018年6月5日  神奈川県箱根
     (上は拡大写真あり、写真をクリック)
     中・雄雌小穂、以下全て    同  上

  • 撮影記 :
     箱根は昔から有名な観光地だったが、富士山の眺めがいいことや東京に近いことなどから外国人観光客に人気が高く、湖畔などは半分以上が外国人で占められているような気がする。
     そんな箱根だが少し離れた場所には観光客の姿はなく、じっくり自然観察が楽しめる。
     前年、ここを訪れ多くのスゲ類に出合ったが、やや時期が遅かったような気がしたため、今年は少し早めに出かけた。
     しかし、今年は雨が多く湖畔にまで水があふれていて歩くことができず、目的の植物まで行きつけなかった。
     逆に少し早かったことで前年とは異なるスゲ類が目に付き、撮影することができた。
     このスゲもその一つだがよく似た種類が多く、消去法で本種と同定したものの自信はない。

  • 果胞・雌鱗片

    同じ科の仲間の花
雄・雌小穂

雌小穂