ウキヤガラ(浮矢柄(幹))

Scirpus fluviatilis

 

ウキヤガラ1


  • 科名・属名 :
     カヤツリグサ科 ホタルイ属
     注.APG分類ではウキヤガラ属、学名(Bolboschoenus fluviatilis subsp. yagara)

  • 特徴 :
     草丈0.7〜1.5mの多年草。
     地下茎は径3〜4cmの根茎から地下匐枝を長く伸ばす。
     茎は3稜形、数節があり、下方に葉をつける。
     葉は茎に着き、葉身は線形、幅5〜10mm。葉鞘は時に褐色を帯びる。
     花序は頂生し、散房状で7cmまで伸びる3〜8個の枝の先に、1〜4個の小穂をつける。苞は葉状で2〜4個、花序よりはるかに長い。
     小穂は長楕円形、長さ10〜20mm、幅6〜7mm。膜質の鱗片がらせん状に並ぶ。
     鱗片は卵形、長さ6〜7mm、細毛が多い。柱頭は3岐。刺針状花被片は6本、果実よりも短く下向きにざらつく。
     果実は菱形状倒卵形、3稜があり、長さ3.5〜4mm。黒褐色で光沢がある。

  • 分布・生育地 :
     北海道〜九州 (国外:アムール・千島列島、カムチャッカ、朝鮮、中国、台湾、ヨーロッパ)
     平地の池や川の浅い水中、湿地の溝

  • 果(花)期 : 7〜10月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 2020年5月12日  神奈川県川崎市
     中1・全体2 2014年5月18日  愛知県田原市
     中2・全体3 2016年6月1日  千葉県柏市
     (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック)
     中3・花序 2020年5月12日  神奈川県川崎市
     中4・果序 2016年6月1日  千葉県柏市
     左下・小穂    同  上
     右上・果実1 2021年5月155日  神奈川県川崎市>
     右中.果実2 2024年6月5日    同  上
     右下・葉鞘 2020年5月12日    同  上

  • 撮影記 :
     平地の池や川の浅い水中に群生し、冬に枯れると水に浮き、それを矢柄に見立て和名がつけられている。
     よく似たコウキヤガラもあるが、本種の柱頭は3岐(コウキヤガラは2岐)することや花序の柄が伸びて散房状(コウキヤガラはほぼ頭状)であることなどで区別される。
     川崎市の街中の水路、橋の下でもこの花を見つけた。増水時には水の中となるような場所だった。
     カヤツリグサ科に興味を持ち始めると、池や川の縁、湿地などはこれらの宝庫で次々に新しい花に出会えるが、名前を覚えきれないのが口惜しい。

  • 果実1

    果実2

    葉鞘

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ウキヤガラ2

ウキヤガラ3

花序

果序

小穂