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- 科名・属名 :
カヤツリグサ科 スゲ属(カワズスゲ節)属
- 特徴 :
草丈30〜50cmの多年草。
根茎は短く叢生する。
葉は線形で長さ20〜30cm、幅1.5〜2.5mm。硬くて鈍い稜があり、やや平滑。
花序は2〜5個の無柄の小穂をやや接近して付ける。小穂は雌雄性、長さ6〜15mm、下方のものは雌花が多く、頂小穂は雄花部が長い。
果胞は卵状披針形で長さ4〜5mm。基部は肥厚し、上部は長い嘴となる。背面には数本の明らかな脈があり、熟すと著しく反り返る。
果実(痩果)は六角状卵形で長さ約2mm、柱頭は2岐。
- 分布・生育地 :
北海道〜九州 (国外:日本固有) 山野の湿地
- 果(花)期 : 4〜7月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2015年6月24日 栃木県日光戦場ヶ原 中上・全体2 2015年7月21日 群馬県至仏山 中中・全体3 2019年4月15日 宮崎県児湯郡 (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック) 中下・花(果)序 2015年6月24日 栃木県日光戦場ヶ原 左下・小穂 2021年5月23日 大分県由布市 右上・果胞、雌鱗片、右下・果胞、果実 同 上
- 撮影記 :
日光戦場ヶ原の水溜りの縁で出会ったスゲは、熟した果胞が大きく反り返っていてカワズスゲの仲間とわかったが、有花茎の草丈は高さ30cm程度、高層湿原という場所から考えてカワズスゲかと思った。
帰って栃木県の植物調査の資料を調べると、日光戦場ヶ原に分布しているのは本種とのことだった。
本種は、山地の湿地に生え、よく似たカワズスゲに比べると、全体に大きくて果胞の長さも少し長いのが特徴とされている。
しかし、スゲの仲間の同定は難しい。この同定が現地でできるようになると、もっと面白くなるのだとは思うのだが。
和名のヤチカワズは、蛙(カワズ)が沢山いるような湿地(谷地)に生えるということでつけられているようだ。
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