マツラン(松蘭)

Gastrochilus matsuran


マツラン1

  • 科名・属名 : ラン科 カシノキラン属

  • 特徴 :
     草丈1〜3cmの着生ラン。
     多数の根を出し、樹幹に着生する。
     葉は2列に互生し、狭長楕円形〜線状楕円形でわずかに湾曲し、長さ0.7〜2cm、幅3〜5mm。革質で暗紫色の斑点があり、中肋は表面ではへこみ、裏面で隆起する。
     花は葉腋から花柄を出して1〜4個つき、黄緑色で暗紫色の斑点があり、径6〜9mm、平開する。萼片と側花弁は平開し、狭長楕円形で長さ3〜3.5mm、鈍頭。唇弁の基部は嚢状に膨らみ、舷部が腎形、先端は鈍形〜切形。苞は三角形で長さ0.5〜1mm。花柄は長さ8〜10mm、2個の鱗片葉がつく。
     別名 ベニカヤラン

  • 分布・生育地 :
     本州(宮城県)〜九州 (国外:朝鮮南部、済州島)
     山地の常緑樹やクロマツの樹幹に着生

  • 花期 :   4〜6月

  • 撮影月日・場所 :
     上・全体1 1997年5月31日  山梨県南都留郡
     中上・全体2 2018年5月4日  福島県相馬市
     中中・全体3 2015年4月28日  東京都奥多摩
     (上、中上、中中は拡大写真あり、写真をクリック)
     中下・花1 1997年5月31日  山梨県南都留郡
     左下・花2 2015年4月28日  東京都奥多摩
     右下・葉    同  上

  • 撮影記 :
     富士山麓の原生林は、溶岩の上に発達しているため起伏が激しく、また見えない所に溶岩穴などもあって、一人で立ち入るのは危険が多い。
     そんな樹海の太い木に着生していたが、樹海の中には人があまり入らないので、よく探すと小型のランが見つかる。
     ただ、樹幹にやや緩く着生することが多く、強い風の後など落ちている株を見ることも多い。
     和名はクロマツの木に着生することが多いことからつけられているが、松の木に着生したものは見たことがなく、常緑樹の樹幹や枝に着生しているものしか見たことがない。
     全体に紫色の斑点のないものをホシナシベニカヤラン(f. epunctatus)といい、中中と左下の花はそれに該当するかと思ったが、残念ながら葉に斑点があった。

  • 葉

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マツラン2

マツラン3

花1

花2