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- 科名・属名 : ラン科 シュスラン属
- 特徴 : 草丈4〜10cmの多年草。
茎は基部が横に這い、斜めに立ち上がる。
葉は3〜4個が互生し、葉身は長卵形〜卵形、長さ2〜4cm、幅1〜2cm。濃い緑色か赤味を帯び、普通主脈に沿って白っぽい網目模様が入り、る。
花は茎頂に1〜3個横向きに咲き、筒状で細長く、長さ2.5〜3cm、子房、萼片とともに疎らに腺毛がある。苞は広線形で鋭尖頭、長さ1.5〜2cm。萼片は広線形で鈍頭、少し黄みを帯びた淡紅色で、長さ2.5〜3cm。側花弁は線形、白色で中脈に沿って暗色帯があり、背萼片に接し、萼片とほぼ同長。唇弁は基部が膨れ、他の花被片より明らかに短く、長さ1.7〜2cm、舷部は長く披針形で、先は反曲する。蕊柱は直立する。葯は披針形。
花の白いものがあり、
●シロバナベニシュスラン(仮称)(学名未定)(左下の写真)としておく。
- 分布・生育地 :
北海道(南部)〜九州 (国外:朝鮮、中国〜ヒマラヤ、台湾) 冷温帯〜暖温帯の常緑広葉樹林下
- 花期 : 7〜8月
- 撮影月日・場所 :
上・全体1 2014年7月23日 神奈川県丹沢 中1・全体2 同 上 中2・全体3 1988年8月20日 徳島県海部郡 (上、中1、中2は拡大写真あり、写真をクリック) 中3・花1 2014年7月23日 神奈川県丹沢 中4・花2 2021年7月20日 静岡県富士市 左下・シロバナ 2021年7月20日 静岡県富士市 右上・葉 2013年7月26日 神奈川県丹沢 右下・葉2(帯赤色) 2021年7月20日 静岡県富士市
- 撮影記 :
温暖化の影響で、昆虫類などは分布域の北上化が目立つ。植物でもこれまで南の方しかないと思われていた植物が、本州北部や北海道でも見つかっている。この花もその一つで、最近北海道南部でも見つかっている。
植物は急に分布域を広げる訳ではないので、奥深い山が入りやすくなるにつれて見つかったものと想像されるものの、複雑な気持ちである。
ただ、植物体のわりには花が大きので見応えがあり、この花が各地で見られるのは嬉しいことだ。
写真の多くは神奈川県で撮影したものであるが、前年は一生懸命探したにもかかわらずほとんど花が見られなかった。
しかし、その翌年は2〜3個咲かせる株を中心に何十株も花を咲かせていた。花の咲き方に表年と裏年があるように思える。
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